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「元は翔平みたいな二刀流だった」DeNAジャクソン投手が横浜でチャンスをつかめたわけは…「バウアーにも話を聞いた」研究熱心さとロン毛の理由
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/29 11:01
ワイルドな長髪をなびかせる姿もすっかりお馴染みになってきたDeNAジャクソン投手
「アメリカのストライクゾーンのイメージは高低に広いということ。逆に日本は、高低が狭く、左右にワイドといったイメージがあります。アメリカのバッターは低めのボールをすくい上げて角度をつけるのが上手いので、スイングの軌道に対し高めの真っすぐを投げることが重要になります。しかし逆に日本のバッターは高めのボールを打つのが上手い。そういったことを理解すれば、あとは小さなアジャストだったと思います」
いかに日本の野球に対応すべきか。自ら考察を深め、またMLBロサンゼルス・ドジャース時代に同僚だったトレバー・バウアーに球団の飯澤龍太通訳を介し連絡をしてアドバイスをもらった。
バウアーのアドバイス
「自分の持っている球種やスタイルが似ていますし、また彼も来日当初苦しんでいたので、日本とアメリカのアプローチの違いについて話しました。まずはバッターにアクションを起こさせる。振らせないといけない部分で、有効なボールが見えてきましたね」
アベレージ152キロの強いストレートをゾーン広く投げ込み、そしてチェンジアップやナックルカーブといった変化球を低めにしっかりと落とし切る。
「やはり先にゾーンに投げ、その後空振りを取るのがセオリーなんですけど、春先はカウントが進んだところで、真ん中に集まってしまう逆のことをしてしまった」
ジャクソンは開幕から6試合投げた後、5月7日に一度登録抹消され、同月22日に再登録されるとヤクルト戦(神宮球場)で6イニングを投げ、6奪三振、1失点という好投を見せている。特筆すべきはチェンジアップの球速が10キロ近く遅くなり、開幕当初よりブレーキが効いて有効になっていたことだ。ファームで一体なにがあったのか。
「一番はストライクゾーンを視覚的に理解し、自分の中に落とし込んで、安定感を出すことに取り組んでいました。あとチェンジアップは自分にとって非常に大事なボールで、その日によって球速の幅はあるのですが、おっしゃる通り、ブレーキが効いている日は思い通りのピッチングが出来ていると思います」
この試合でバッテリーを組んだ戸柱恭孝は、ジャクソンのピッチングについて次のように証言する。