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「元は翔平みたいな二刀流だった」DeNAジャクソン投手が横浜でチャンスをつかめたわけは…「バウアーにも話を聞いた」研究熱心さとロン毛の理由
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/29 11:01
ワイルドな長髪をなびかせる姿もすっかりお馴染みになってきたDeNAジャクソン投手
「初めてボールを受けたときは衝撃を受けました。真っすぐ、変化球、すべてにおいてボールの質がいいんです。真っすぐはホップ成分があってベース盤の上で強さがあるし、変化球のキレも他のピッチャーとはちょっと違う。あのヤクルト戦に関しては、一軍のベンチで見ていた僕の感覚とファームでの試合動画を照らし合わせて、ボールは間違いなくいいので、キツキツに構えるのではなく、低めに構えるから真ん中に投げたらいいんじゃないかって提案したら本人も納得してくれて、あの日のピッチングになったんです」
チームに欠かせない存在になった日
あのヤクルト戦からジャクソンは、チームにとって欠かせない重要な先発投手となった。現在、持っている球種は真っすぐに加え、チェンジアップ、カットボール、スイーパー、2種のカーブである。
「真っすぐとカットボール、チェンジアップはいつでも自信を持って投げられるボールですが、それにつづく緩急をつけるボールがカーブなのかスイーパーなのか、その日その日でどれの感覚がいいのか見つけていくのが試合ごとのポイントになってきます。マダマダ(日本語)ですけどね」
そう謙虚に言うとジャクソンは笑った。
そんなジャクソンの人間性について、傍らでサポートする飯澤通訳は次のように語る。
「すごく明るくてコミュニケーション能力があり、また聡明で教養もあるんです。自分に何が必要なのか見えているところがあって、とにかく理由を求める。なぜそうなっているのか。春先に苦しんだ際も合理的、理論的に考え、最適解を求めたからこそ現在があると思います。人の意見を素直に受け入れる一方、ドジャースという世界一のチームで育ってきたゆえに自分なりのセオリーもしっかりと持っていますね」