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「元は翔平みたいな二刀流だった」DeNAジャクソン投手が横浜でチャンスをつかめたわけは…「バウアーにも話を聞いた」研究熱心さとロン毛の理由
posted2024/07/29 11:01
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
ワイルドな風貌と陽気なキャラクター。その一方で、知性を感じさせる明るくも思慮深い語り口調が印象的だ。
「わたしは野球のすべてを経験したいと思っているんだ。アメリカでの日々や、ここ横浜でプレーすること。この先、どこまで野球をやることができるかわからないけど、多くのことを知りたいと思っているよ」
横浜DeNAベイスターズに今季加入したアンドレ・ジャクソンは、クールな瞳でそう語った。
後半戦スタートとなった7月26日の巨人戦(横浜スタジアム)、この大事な試合でジャクソンは、先発を任された。
1週間前のヤクルト戦(神宮球場)で熱中症により緊急降板し、コンディション面での不安が懸念されたが、7回まで2失点の好投を見せた。しかし同点の8回表、無死からヒットとフォアボールでランナーを出すとマウンドを降り後続の投手に託したが、粘れずヒットを浴び失点。ジャクソンは力投むなしく負け投手となった。試合後「全体的には良かったが、イニング途中で降板となりすごく悔しい」と語っている。
今季はここまで16試合に先発し4勝6敗、防御率3.55。一見、助っ人外国人投手としてはずば抜けたスタッツではないが、それでも開幕当初は制球が定まらず大量失点し7.90まで跳ね上がった防御率を、徐々に日本野球にアジャストして下げていった。特に6月は4試合に登板して1.01という防御率で収め、チームから信頼を得ている。
苦闘した開幕当初
開幕当初のことをジャクソンは振り返る。
「あのときは感覚がなかなか掴めず、ストライクゾーンで攻めることができず苦労しました。また、マウンドの違いやバッターのアプローチの違いに苦しみましたが、登板するごとに学びや気づいたことがあったので、それを繋ぎ合わせ、積み上げていくことで徐々に良くなっていったという感覚があります」
特にアメリカとの違いを感じたのはストライクゾーンだという。