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中日からのトレードで人生が激変「誰が想像できた?」日本ハム・郡司裕也がものにした「一瞬のチャンス」北の大地で愛される“郡司節”秘話
posted2024/08/01 11:01
text by
中田愛沙美(道新スポーツ)Asami Nakata
photograph by
KYODO
北海道日本ハムファイターズを率いる新庄剛志監督はこう口にする。
「努力は一生、本番は1回、チャンスは一瞬」
指揮官の言葉通り、巡ってきた一瞬のチャンスをものにして北の大地で花開いた選手がいる。昨年6月に中日ドラゴンズからトレードで加入した郡司裕也捕手だ。
「全人類、想像できないですよ!」
移籍2年目の今シーズンは100万票以上を集めて三塁手としてファン投票で選出され、スター選手が集う真夏の祭典「マイナビオールスターゲーム2024」に出場。神宮球場で行われた第2戦では、代打で途中出場し、安打と打点を挙げた。この1年間の軌跡を、郡司本人は「誰が想像出来るんですか。全人類、想像できないですよ。こんなの!」と豪快に笑い飛ばす。確かに、誰もが想像できない出来事の連続だった。
アマチュア時代は野球エリートの道を歩んできた。仙台育英高校では強打の捕手として、3年夏の甲子園で準優勝。進学した慶大では1年秋から正捕手の座を射止め、4年秋のリーグ戦では打撃3部門でトップに輝いた。しかし、東京六大学三冠王の肩書きを引っ提げてドラフト4位で入団したドラゴンズでは、なかなか実力を発揮できずにいた。