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「妻も幅広く…」新婚・町田浩樹26歳が語る“起業と日本代表DF”の二刀流「英語の契約書チェック」「最近は“マチなら大丈夫だろう”と」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/07/14 11:07
日本代表DFの町田浩樹。結婚発表翌日のタイミングでインタビューに応じてくれた
「僕は、小学6年生のときにオランダで行なわれるサッカー大会に出てチェルシーやアヤックスの下部組織のチームと対戦して、1-8で負けた経験もあります。中学生のときにはブラジルで『ジーコカップ』という大会に参加しましたし、高校ではスペインへ行き、バルセロナB(バルセロナのセカンドチーム)と試合をしたことがありました。
ただ、それは鹿島のバックアップがあったから経験できたわけで、僕は恵まれていた方だと思うんです。だから今度は、Jリーグの下部組織に入れていないような子たちに似たような経験をさせてあげたいんですよね。僕もそういう経験を通して、身体の大きさや脚の長さ、技術レベルの違いを本当に、身に染みて痛感しましたから」
無償派遣にディテールまで…お飾りの参加ではない
ポイントとなるのは、「無償派遣」だ。
「海外留学や海外の大会に参加しようとすると、普通に考えて、親御さんにかなりの負担がかかりますよね。だから、子どもの実力というより、家庭環境に左右されることになってしまう。才能があったとしても経済的な理由で参加できない子がいたら、やはり、もったいないじゃないですか。だから、スポンサーの方々にも協賛していただいて、こういう活動になりました」
大会に派遣されるのは、山梨県内のチームに所属する10人程度の子たち。選手のセレクションは8月末から9月2週目までに始める予定になっている。そして、協賛スポンサーの「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」の施設を借りて10月に最初の合宿を行ない、そこから月に1、2回集まって練習をした後、12月中旬にバルセロナで行なわれる大会に参加する予定だという。
ただ、町田は単なるお飾りとして参加するわけではない。サッカー選手としての立場からディテールにもこだわった。
「山梨県で活動する1つのサッカーチームをそのまま派遣するほうが、ひょっとしたら手間がかからないかもしれません。でも、プロサッカーの世界では、パッと集まったときに、自分の能力を発揮したり、周りの良さを引き出すことが求められますよね。代表チームの活動などはまさにそうですし。だから、このような形にさせてもらったんです」
まずは山梨県でスタートさせるものの、将来的には町田の故郷である茨城県をはじめとして、この取り組みを全国に広げていこうとしている。夢はふくらむばかりだ――。
アジア杯で味わった「歯がゆさ」
ただ、町田がそうやって様々な取り組みに身を投じることができるのも、本業であるプロサッカー選手としての活動で結果を残しているからに他ならない。