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「(内田)篤人さんの“SB絞りすぎるな論”、よくわかります」日本代表DF町田浩樹の守備哲学が面白い「欧州に来てからもずっと鹿島の…」
posted2024/07/14 11:08
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Panoramic/AFLO
2023年10月13日。次回のW杯開催国カナダとの試合で、日本はホームゲームであるにもかかわらず、劣勢を強いられていた。昨年6月から今年1月アジアカップ初戦までの10連勝した試合のなかで、もっとも苦しい立ち上がりだった。
理由は、守備が上手く機能しなかったからだ。
そのせいで、前半20分過ぎにはVARのチェックが入った末にPKを取られてしまった。ただ、主審が映像を確認している間に、守備をどうすべきかを選手たちはピッチ上で話し合った。
そこで挙がった改善点をプレーで表現し、試合の流れを変えたのが町田浩樹だった。
トミなら後ろを任せても大丈夫だろうと
前半32分、相手陣内まで出ていき、縦パスをカット。味方につないだシーンは敵・味方の双方に大きな影響を与えた。
「マンツーマン気味にマークをつかみに行ったほうが、自分たちの守備がハマる感覚がありました。それにセンターバックでコンビを組んでいたのがトミ(冨安健洋)だったので、後ろを任せても大丈夫だろうと考えて。それで計2本くらい良い形でボールが取れたから、『これで行けるな』という感じになりました」
センターバックが後方に構えてロングボールを跳ね返していれば良い時代は、とうの昔に終わった。時に、勇気をもって前へ出ていき、相手の攻撃の芽を刈りとり、自分たちの攻撃につなげていく。それが現代のセンターバックには求められている。あのプレーのように。
「やはり、前からのプレッシングを上手にはめられるチームは、強いと思います。もちろん、前からプレスに行く分、後ろが数的に同数になるので、広大なスペースを守らないといけないので大変ですよ。ただ、高い位置で取れれば取れるほど、自分たちの攻撃を高い位置からスタートできるというのもまた事実なので」
実は、こうしたプレーは町田が23-24シーズンのユニオン・サンジロワーズで求められてきたものでもあった。
ベルギーで体感した「プル型」のプレス
ライプツィヒの育成年代を網羅する形で指導してきたブレッシン監督は、オーステンデとジェノアを経て、ユニオンへやってきた。
彼が求めてきたのが、前線の選手からスタートする「プル型」のプレスだった。
これについては説明が必要だろう。