- #1
- #2
核心にシュートを!BACK NUMBER
守田英正は感謝した「『どんどん言ってくれていいよ』に懐の深さを感じます」…森保監督との「日本サッカーを良くしたい」からこそのやり取り
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJFA/AFLO
posted2024/07/04 11:00
日本代表6月シリーズで招集された守田英正。その際の興味深い話とは?
「僕の頭の中で描いているものは正直、いっぱいありますよ。だけど、それをどこまで落とし込むのか。僕の言えるレベルの範囲を超えてしまう――代表を自分のしたいようにしているようなニュアンスになってしまう――ことは良くない。どこまで言うべきなのか。そこは、かなり気にしていますね」
実際、アジアカップでイランに敗れた後、チームが良くなるために発した提言が曲解され、森保監督や体制への批判と受け止められてしまったこともある。
「感謝しています」森保監督とのやり取り
ただ……。
アジアカップ後の今年3月と6月の活動を通して、守田は森保監督の信頼関係に前進を感じた。
「アジアカップの後から、森保さんが『自分の意見をどんどん言っていいよ』と言ってくれているんですよ。僕が口を開けるかどうかも、それありきなので。森保さんには感謝していますし、懐の深さを感じます。だから、チームのためにもっと意見していいのかなと思うようになったし、以前よりも言いやすくなったと感じています」
リーダーシップのある守田は、自分勝手にプレーしたいわけではない。チームが良くなるために考え、口を開きたいだけなのだ。
実際、チームのために責任を持って発言する守田が、謙虚さを持っていると証言する人物がいる。スポルティングCPのルベン・アモリム監督だ。
「守田はチームを助ける準備が出来ていて、1日に1000回は謝るし、敬意に満ちていて、どこでもプレー出来て、サッカーを学ぼうとする。私が守田について何かを語るとき、良いことしか思い浮かばないよ」
「日本サッカーの発展につなげる」共通の思いで
守田の思考法は、理系脳のようだ。ピッチ上で起こっている現象を論理的に考え、最適解を導き出すのが上手い。初見の数学の問題を、論理立てて解く。それゆえに、稀代の戦術家アモリムにも重用されている。
一方の森保監督は、どうか。
森保監督は過去に出題された様々な問題の解法から学び、似た問題が出たときに解けるように準備を積み重ねていく。いわば文系脳の持ち主に感じる。さらに、哲学的思考を得意としている。
そんな指揮官の強みが表れたのが、カタールW杯のドイツ戦だ。前半の守備が機能しなかったのを見て、ドイツの攻撃に対してマンツーマン気味で守れるようにと、3バックへの変更を決めた。あの采配の背景について、森保監督はこう語っていた。