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核心にシュートを!BACK NUMBER
守田英正は感謝した「『どんどん言ってくれていいよ』に懐の深さを感じます」…森保監督との「日本サッカーを良くしたい」からこそのやり取り
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJFA/AFLO
posted2024/07/04 11:00
日本代表6月シリーズで招集された守田英正。その際の興味深い話とは?
というのも、森保監督の強みは選手たちの良さを引き出すことにあるからだ。
お互いの良さを出し合う展開になることが多い親善試合では、それぞれの選手が良さを発揮して、相手をねじ伏せる試合も多かった。ロシアW杯後から就任直後の5試合はそれが顕著だったし、2023年6月から10月の親善試合で――敵地でのドイツ相手に4−1勝利を含めて――6連勝したときもそうだった。
森保監督は「ボールを奪ってから素早くゴールへ」を1つのコンセプトとして伝えている。一方で細かくデザインしすぎないことで、森保監督が大事にする「選手たちが思い切ってプレーできる」、つまり長所を発揮しやすくなる環境が用意される。
だからこそ、守田の提案は意味があった。今回トライした攻撃的な3バックについても型を提示しつつ、細かな約束事を補足したからだ。
谷口が語っていた“活発な意見交換”
3バックを初導入したミャンマー戦の前半、日本は左サイドからの攻撃が続いた。一方で、右サイドを起点とした攻撃はほぼなかった。
ただ、課題がハッキリしたからこそ、ハーフタイムには意見が活発にかわされた。3バックの真ん中を任された谷口彰悟はこう証言している。
「僕ら(試合に出ている選手)同士でも話しましたし、ベンチから見ていた選手たちだけでなく、外から見ていた選手たち、この前で言えばベンチ外だったタケ(久保建英)やトミ(冨安健洋)、ユウトさん(長友佑都)などからも意見を言ってもらいながら改善していきました。
僕がもう少し真ん中寄りのポジションを取って、両脇のセンターバックが少し高いポジションを取らせる。それを意識したことで、後半にハシ(橋岡大樹)も高い位置を取ったりするシーンが出てきたと思うので」
守田が葛藤を抱えているワケ
選手たちの議論のベースが生まれ、活発な意見がかわされた。後半に入ってさらに新布陣が機能するようになったのは興味深い。
もし何も提示しなければ、出てくる課題や選手同士でかわされる議論も、曖昧なままで試合は終わったかもしれない。だから、意味があったのだ。
とはいえ、守田は葛藤も抱えている。