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核心にシュートを!BACK NUMBER
守田英正は感謝した「『どんどん言ってくれていいよ』に懐の深さを感じます」…森保監督との「日本サッカーを良くしたい」からこそのやり取り
posted2024/07/04 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
JFA/AFLO
「この4年、本当にあっという間で。アジア予選から自分は(コンスタントにメンバーに)入ってプレーしましたけど、本当に、一時も無駄にしていなかったですし。(これからも)ホント、1日も無駄にできないので……」
カタールW杯でクロアチアに敗れた直後、悔し涙に震えながら守田英正が絞り出した言葉は決して嘘ではない。そしてあれ以降も、彼のリーダーシップははっきり感じられる。
攻撃的な3バック挑戦で守田が提案したこと
例えば、6月11日のシリア戦。守田はベンチスタートだったが、前半が終わるやいなや、田中碧の元へ向かっていった。2人は川崎フロンターレでともに戦った仲間であるとはいえ、同じポジションを争うライバルだ。ただ、そんな2人の関係よりも大切なものはある。
チームが良い戦いをすること、そして試合に勝つことだ。
大きな目標を達成するために、守田は戦っている。
6月の日本代表の活動で一つのテーマとなったのが、攻撃的な3バックへの挑戦だった。9月から始まるアジア最終予選や、その先に控えるW杯に向けてオプションとして取り組むことになった。
実際にそのためのトレーニングも積み、試合前日にも3バックと4バックの両方をトライする状況だったという。そこで守田は、選手として感じた意見をコーチングスタッフに伝えた。
「守備が上手くいくかどうかを考えると、3バックにトライした方が良いのではないですか?」
最終的に森保一監督が3バックでスタートすることを決めると、守田はさらに動いた。ダブルボランチでコンビを組む旗手怜央に高めの位置を取らせて、2シャドーの一角に入った鎌田大地や左のウイングバックである中村敬斗と絡むような形にしたら良いのではないか。そんな風に彼らと相談し、前半の配置が決まっていった。
選手の長所が発揮しやすい環境の中で…
このように、守田が一つの型を提示したことに大きな意味があった。
一体どういうことか。
現チームの課題としてよく挙がる意見が「チームとしての約束事がない」というものだ。ただ、これは森保監督のチームマネージメントの良さと表裏一体の関係である。