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「五輪落選の逸材→W杯日本代表」大迫勇也に柿谷曜一朗、鎌田大地と伊東純也…実は多い「(三笘)薫が活躍したので」東京世代だと誰?
posted2024/07/03 11:02
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph by
Tomoki Momozono,JIJI PRESS
下馬評を覆してベスト4のロンドンはどんな面々?
【2012年:ロンドン五輪】
〈ロンドン五輪代表メンバー〉※はオーバーエイジ
GK:権田修一、安藤駿介
DF:徳永悠平※、酒井宏樹、吉田麻也※、山村和也、酒井高徳、鈴木大輔
MF:扇原貴宏、村松大輔、東慶悟、宇佐美貴史、山口蛍、清武弘嗣
FW:大津祐樹、杉本健勇、永井謙佑、齋藤学
バックアップメンバー:林彰洋※、大岩一貴、米本拓司、山崎亮平
〈代表漏れした主な選手〉
大迫勇也、柿谷曜一朗、原口元気、柴崎岳、昌子源
五輪サッカーが現行の23歳以下の大会となって以来、日本の最高成績を残したのが「雑草軍団」とも評されたロンドン世代だ。
本大会では、グループステージ初戦で優勝候補のスペインから1-0で勝利をもぎとると、次のモロッコも倒し、決勝トーナメント進出を決めた。準々決勝でサラー擁するエジプトに完勝して、いよいよメダルへの期待が高まるなか、準決勝でメキシコに、3位決定戦で韓国に敗退。惜しくも68年メキシコ五輪以来の表彰台はならなかったが、ハードな日程で全6試合を戦い抜いたロンドン世代は、下馬評を大きく覆してみせた。
彼らは2009年と11年のU-20W杯出場を逃した世代であり、ベストメンバーとはかけ離れたメンバー構成で初陣(10年アジア大会)を戦った経緯もあって“雑草”がついてまわった。しかし、実際には攻撃陣を中心にタレント豊富。さらに、プラチナ世代の筆頭格である宇佐美貴史、大津祐樹は11年夏から、酒井高徳は12年1月から、清武弘嗣と酒井宏樹は12年夏から、それぞれ欧州クラブに移籍している。オーバーエイジの吉田を含めると、五輪開催時点で6人もの「欧州組」が揃っていた。
しかも、マンチェスター・ユナイテッドへ移籍する香川真司(飛び級で北京五輪出場)と、アーセナルの宮市亮は招集をあえて見送っている。そういった意味では久保建英(レアル・ソシエダ)、鈴木唯人(ブレンビー)らの招集可能性が低いとされるパリ五輪に似た状況を、日本はロンドンに経験済みといえる。
FIFAの決定で当時は五輪期間中の拘束力が代表チーム側にあり、清武や吉田らの招集はスムーズにかなった。
“半端ない大迫とジーニアス柿谷”の名はなかった
「今は、負ける気がしない」
清武が大会中にこのように語るなど、結果も残したロンドン世代だが――不思議なことにその後は出場選手よりも、むしろ落選した選手の躍進が際立っていく。