バレーボールPRESSBACK NUMBER
「コイツらすごくなるんだろうな…」石川祐希の代表デビューを知る永野健がしみじみ「笑顔かわいかったなー」“最強の仲間”を得たキャプテンの10年
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAFLO SPORT
posted2024/06/10 17:02
石川祐希の日本代表デビュー戦で同じコートに立った永野健 (写真は2015年)
石川と高橋藍は4月末までイタリア・セリエAのプレーオフを戦っていたため、疲労を考慮され、ネーションズリーグ第1週のブラジルラウンドには帯同しなかった。その間も日本は、五輪出場権獲得のために目の色を変えてくる相手を退け3勝1敗で第1週を終えていた。
ただその間、石川も休んでいたわけではない。日本バレー界にしっかりと財産を残していた。
石川と高橋藍の2人が、ブラジルから帰国した代表に合流したのは5月31日だった。まだ時差ぼけが残り眠たそうな表情の選手もいる中、合流初日から石川の熱量はマックスだった。
練習の最初に行われるボールゲーム(選手が2チームに分かれ、各チーム2人ずつが順にコートに入り、2個のボールを打ち合って相手コートに落とす)から、石川の負けず嫌いが炸裂。1プレーごとに誰より大きな声で喜び、悔しがる。
同チームの甲斐優斗がミスをしてボールを落とすと、「オイ!まだ寝てんのか甲斐!」と甲高い声で檄を飛ばした。
合流初日だから張り切っているというわけではない。
その1週間前、若手を中心としたB代表の合宿を取材した際も同じ光景を目にしていた。
B代表で“調整”のはずが…
石川と高橋藍はA代表に合流するまでの期間、B代表で調整していた。だがそれは“調整”という代物ではなかった。
B代表にあっても2人は全開。特に石川は、ボールゲームでもゲーム練習でも常に声を出し、A代表となんら変わらずチームの中心にいた。
B代表の主将を務めるセッターの大宅真樹はこう語っていた。