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「メンタルはズタボロ」屈辱“ベンチ外”宣告に号泣も…先発セッターを外れた関菜々巳25歳が再起するまで「女子バレーパリ五輪決定の舞台ウラ」
posted2024/06/15 17:01
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
MATSUO.K/AFLO SPORT
バレーボールネーションズリーグ福岡ラウンド。勝てばパリ五輪出場が決まるはずだった、6月13日のカナダ戦。セットカウント2対0と圧倒的優位な状況から、日本はまさかの逆転負けを喫した。
カナダは終始サーブで日本を攻め続けた。攻撃を絞らせ、ブロック&レシーブでつないだボールを最後はエースが打ち切る。大逆転勝ちを成し遂げるなら、これしかないという戦いぶりで勝利をつかんだカナダの選手はコートやミックスゾーンで喜びを爆発させている。その姿を横目に日本の選手たちは足早に引き上げた。
カナダに逆転負け…責任を痛感するセッター岩崎
2セット目までは得点するたびにコートで笑顔を見せていたセッターの岩崎こよみ(35歳)は、タオルで汗を拭いながら3セット目から相手に流れが傾いた理由を冷静に振り返った。
「相手のサーブがずっとよかった。私たちもサーブで攻められなかったわけではないんですけど、ほとんどリベロにとられてしまって、崩せなかった。自分のトスも偏って、苦しい状況をつくってしまいました」
負ければ当然、口をついて出るのは課題と反省ばかり。しかも、攻撃を組み立てるセッターとなれば、その矛先が自分に向く機会も少なくない。
岩崎に続いてミックスゾーンに現れたエースで主将の古賀紗理那も「アタッカーが100%で打てていない感じがあった」と、トスの精度だけでなく攻撃の選択に関しても些細なズレを感じていたと指摘した。