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“身長171cmの三冠王”が投高打低の中で誕生か…近藤健介30歳の成績が異次元すぎ「打率.355は2位と.039差、OPSも唯一の1.000台」
posted2024/07/01 19:40
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
プロ野球だけでなく、一般的にスポーツは「体が大きい方が有利」という印象がある。リーチが長い、ストライドが大きい、パワーがある、などスポーツをするうえで有利な部分が多いとされるからだ。例えばMLBで本塁打を量産する大谷翔平(ドジャース)は、193cm/95kgの体躯を誇っている。
若松、門田、森友哉に吉田正尚…小さな大打者の系譜
そんな中で、小さな体で結果を残すアスリートは、とりわけリスペクトされる。
プロ野球で言えば、「小さな大打者」と言われた若松勉が代表格だろう。
168cm/75kgという体で、通算2173安打、打率は歴代2位の.319、首位打者2回という偉大な成績を残した。
また同時代の門田博光は170cm/81kg。筆者は近鉄難波駅で門田をよく見かけたが、がっちりした体躯で精気にあふれていた。通算2566安打、567本塁打1678打点、本塁打王3回、打点王2回。40歳の1988年にはMVPに選ばれている。以後も、170cm/75kgで首位打者2回の正田耕三などがいた。
昭和50年代、プロ野球選手の平均身長は175cm程度だった。しかし令和6年のプロ野球選手の平均身長は180.7cmと大型化が進んでいる。しかしそんな中でも、170cmそこそこの体格で打撃タイトルを獲得する選手は少数ながらいる。
オリックスの森友哉は170cm/85kgながら、激務である捕手を務めながら西武時代の2019年には.329で首位打者、MVPに輝いている。また、今はMLBレッドソックスの吉田正尚は173cm/80kgで、オリックス時代の2020、21年と連続首位打者を獲得している。ここまで名前を挙げた選手は左打者(正田は両打ち)だが、DeNAの宮崎敏郎は右打者。172cm/85kgの体格で、2017年と23年に2回首位打者を取っている。
しかしそんな「小さな大打者」のなかでも――ソフトバンクの近藤健介は、一線を画する強打者になる可能性がある。
2017年には“最多打数の4割打者”になったことも
171cm/86kgの近藤は、2011年のドラフト会議で4位指名され、横浜高校から日本ハムへ入団。当初は捕手だったが、内野手を経て外野手に転向した。
1年目から一軍公式戦に出場していた近藤だが、注目されたのは3年目の2014年オフ、台湾で行われた第1回21U野球ワールドカップだった。現地メディアは4番一塁に固定された近藤を、3番遊撃の牧原大成(ソフトバンク)、5番右翼の鈴木誠也(現カブス)とともに、大きく取り上げていた。
翌年にはレギュラーになり打率.326で3位になった近藤は、2017年に破天荒な記録を達成しかかる。