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「モリタ先生は10点満点で7~8点」ポルトガル人記者が絶賛…日本代表MF守田英正29歳、名門での愛され度「アジア杯のゴールパフォーマンスもだ」
text by
リカルド・グラナーダ(レコルト紙)Ricardo Granada (Record)
photograph byDiogo Cardoso/Getty Images
posted2024/06/05 17:00
守田英正はベンフィカなど国内のライバル相手にもタフなプレーを見せ、リーグ優勝に貢献した
なぜならデンマーク代表の守備的MFヒュルマンが、ファウルを辞さないチャージで中盤の警備を担当したことにより(シーズンを通して受けた12度の警告はリーガ3位タイ)、守田は自身の最大の持ち味を発揮できるようになったのだ。
過去2年半の間にも披露していた優れたキープ力や的確な配球だけでなく、敵陣深くまで侵入して決定機に絡むシーンが増え、今季は存在感が際立っていた。アモリム監督はそんな日本代表MFについて、シーズンの途中にこう話している。
「実にインテリジェントな選手だ。中盤の選手の完成形に近づきつつある」
そして実際に、勝負を決定づける活躍も見せている。
リーグ優勝の中で彼の働きは不可欠だった
10月8日のホームでのアロウカ戦では、味方が先制した後に仲間のDFが退場となり、後半に追いつかれる苦しい状況のなか、ボックス内でクロスに合わせて勝ち越し点を奪った。12月30日の敵地でのポルティモネンセ戦では、相棒のヒュルマンを累積警告で欠き、普段よりもバランスを考慮する必要に迫られながらも、見事にその難しいタスクを担ったうえ、終盤に左サイドから鋭いクロスを打ち込んでパウリーニョの決勝点に繋げ、マン・オブ・ザ・マッチに選出されている。
2月29日の宿敵ベンフィカとのポルトガル・カップ準決勝第1戦では、直接的にゴールに関与することはなかったものの、中盤に君臨して相手を寄せ付けず、2-1の勝利に寄与。この3試合の守田のパフォーマンスについて、私たち『レコルト』紙は4点を付けた(最高の5点はなかなかない)。
1月に始まったアジアカップまで守田は完全なる主力だったが、その後はほぼ3日おきに試合が組まれていたタイトなスケジュールによる疲労や、生え抜きのダニエル・ブラガンサの成長もあり、ベンチスタートになることも。
それでも、5月4日にポルティモネンセを3-0で下して2節を残してリーグ優勝を決めたチームに、彼の働きは不可欠だった。
守田“センセイ”がさらに愛されるようになったアジア杯
そして仲間やファンからも好感を寄せられている。もとより他者を敬う姿勢と落ち着いた所作から、周囲の仲間に“センセイ”や“サムライ”と呼ばれることもあるように、すでに一目置かれる存在だったが、今季はチームメイトとの絆をさらに深めた印象だ。
好例のひとつに、1年目のスポルティングで爆発し、リーグ戦でダントツの29得点を記録して得点王になったビクトル・ギェケーレスとの間柄がある。