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賛否両論の町田ゼルビアらしさはロングスローだけでない…「実に見事」浦和DFマリウスが称える強みと“帰宅難民になりがち”ホームの魅力 

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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posted2024/06/04 11:03

賛否両論の町田ゼルビアらしさはロングスローだけでない…「実に見事」浦和DFマリウスが称える強みと“帰宅難民になりがち”ホームの魅力<Number Web> photograph by FCMZ

試合前、サポーターと触れ合った後に笑顔のミッチェル・デューク。「天空の城」と銘打つゼルビアのホームスタジアムが持つ異色さとは

「相手の圧倒的なサポーターのパワーが(浦和の)選手たちに乗り移り、それに屈することがあれば、ひとたまりもないので、選手たちを奮い立たせて臨みました。(中略)前半からボールを持たれる時間は長かったですが、しっかりと帰陣して、ゴール前のセンターを空けず、クロスへの対応もパーフェクトにやってくれました。勝ち急がず、取り急がず、チャンスが来たら一気に畳み掛けていこう、粘れば、最後には必ず良いことがあると選手たちに伝えていました」

 勝負強さ──。今季前半戦の主役を担っているチームについては、各所ですでに多くの分析がなされているが、間違いなく、勝ち負けへの徹底したこだわりが強さの所以のひとつだろう。浦和のCBマリウス・ホイブラーテンはニュアンスを変えて、町田の強みをこう表現した。

「フィジカルが強く、ロングボールを多用し、セットプレーが脅威。町田のスタイルはわかっていたけど、やられてしまった。悔しいよ。ただ初めて対戦して感じたのは、町田の選手は全員がチームのために最後まで走り抜き、戦い抜くこと。それは実に見事なものだった」

町田ゼルビアの「天空の城」に行ってみた

 そして先週末には、ホームにアルビレックス新潟を迎えた。晴れた土曜日の町田GIONスタジアム周辺には、他のJリーグの会場とは一線を画すテーマパークのような雰囲気があった。その丘陵地一帯を「天空の城 野津田」と銘打ち、ロールプレイングゲームの舞台のように仕立てているのだ。

 異国の古い民謡のようなBGMが流れ、「武器・防具屋」と書かれた公式グッズショップがあり、先発メンバーはそれっぽいカードを並べて掲示している(町田市に広がる『きんじょの本棚』の『FC町田ゼルビア天空の城店』には、ペップ・グアルディオラの自伝も)。

 初挑戦のJ1で首位を走る町田ゼルビアの勇ましい冒険──それは異色のホームスタジアムが演出しているものでもある。

「もとは“陸の孤島”と呼ばれていたところだからね」と、ある同業者は言った。確かに交通の便が良いとは言えず、今季序盤戦ではファンが“帰宅難民”になったことも報じられた。それでも逆転の発想のブランディングで、一味違ったスタジアム体験をサポーターに提供しつつ、チームの躍進を後押ししているのだから、中立的な立場から見て面白いと思った。

敗戦後、パリ世代の藤尾翔太が語ったこととは

 ただし、当時6位の浦和に敵地で勝てても、16位の新潟にはホームで1-3の完敗を喫した。

【次ページ】 敗戦後、パリ世代の藤尾翔太が語ったこととは

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