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MotoGPのスペイン勢なぜ強い? 母国の英雄マルケスの移籍後初優勝に期待高まるカタルーニャGPで強化の理由を考える 

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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posted2024/05/24 11:01

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この2戦連続して決勝レースで2位となり、ホームレースでの移籍後初勝利に期待がかかるマルケス

 それ以前のグランプリにおけるスペイン勢といえば、小排気量クラスでこそチャンピオンが生まれても、最高峰クラスで活躍する選手はいなかった。そのため、スペインGPのメインレースはスペイン人選手が優勝争いに加わる小排気量クラスであり、最高峰クラスのレースが始まるころには観客が帰り始めてしまうほどだった(いまもMotoGPクラスの優勝争いにスペイン人ライダーが不在なら、レース中盤で席を立つファンが珍しくない)。

 WGPのプロモーターになったドルナ・スポーツはF1に倣って放送国の拡大を図り、参戦チームにより多くの収益が分配されるシステムを築いた。その一方で、サッカー界を見本に若くて優秀なライダーを育てるカテゴリーを充実させ、それを支える企業を募った。その結果、テレビ、新聞、雑誌といったマスコミでの2輪の露出が増え、相乗効果を生むシステムの中から優秀な選手たちがたくさん出るようになった。

 並行してインフラ面の充実も進められ、カタルーニャに続き、バレンシア、アラゴンと近代的なサーキットが次々と誕生した。その結果、一年中温暖なスペインは2輪レースの中心地となり、現在は上記3カ所にヘレスを加えて4大会が開催されるようになった。

 そうした背景のもと、スペインから次々にスーパースターが生まれることになる。99年にはアレックス・クリビーレがスペイン人として初めて最高峰クラス(500cc)のチャンピオンとなり、その後セテ・ジベルナウやダニ・ペドロサ、ホルヘ・ロレンソなど多くのスペイン勢が活躍する呼び水となった。

国王も注目するMotoGP

 スペインのナンバーワン・スポーツは間違いなくサッカーだが、グランプリの人気も相当である。クリビーレがブラジル・リオGPでタイトル獲得を決めたとき、当時のファン・カルロス国王から祝福の電話がかかってきたことは有名なエピソードである。2000年代に入ると、チャンピオン争いを繰り広げるペドロサとロレンソの仲の悪さが有名になったが、スペインGPでふたりが表彰台に立ったとき、カルロス国王が「仲良くしなさい」と握手させたことも大きな話題になった。

 カタルーニャ・サーキットで開催されるグランプリは今年で33回目となる。スペイン人選手の活躍に地元ファンは熱狂することになるのだろうが、とりわけ、これまで数々の期待に応えてきたマルケスへの注目と期待は大きい。果たして、どんな走りを見せてくれるのか。記録と記憶に残るレースになることを多くのファンが望んでいる。

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