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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
〈サッカー五輪代表18人予想〉「第一候補の冨安健洋、久保建英」だけでなく…日本通ブラジル人記者が推す「意外だが有益なOA枠候補」とは
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/05/06 11:03
オーバーエイジ候補に名前が挙がる冨安健洋、年齢的にパリ世代の久保建英……ブラジル人記者が“縛りなし”で五輪メンバー18人を選べるとしたら、どんな面々になった?
「もちろん、このポジションもOAを呼べたらいいんだけど、OAはDF2人とFW1人に使いたい」
――3トップは? 控えも含めて、5人選んでください。
「右ウイングは、レギュラーが久保建英で控えが山田。CFは、OAで上田綺世(フェイエノールト)。控えは、当面は細谷真大(柏レイソル)だろうけど、ベルギーで点を取っている長身の後藤啓介(18、アンデルレヒト)を呼んでもいい。左ウイングは、少々悩ましい。OAで三笘薫(ブライトン)を呼べたらいいんだけど、そうもいかないだろうから、平河悠(町田ゼルビア)か佐野航大(ナイメヘン)のどちらか。このポジションは、久保がプレーすることもできる」
――1968年メキシコ五輪以来56年ぶりのメダルを獲得するのは可能でしょうか?
「この大会でチームとしての戦い方が確固たるものとなった。経験値が高まり、選手たちは大きな自信をつけたはず。2012年ロンドン大会と2020年東京大会(実施は2021年)と過去3大会で2度、ベスト4入りしており、メダルを争う資格は十分にある」
もしパリへ行けなくても、あくまでも通過点
――今後、パリ五輪までに日本が強化すべき点は?
「今回のチームには、DFとCFに弱点があった。そこをOAとこの大会に招集できなかった23歳以下の選手で補い、さらに一人ひとりの選手がクラブで成長を続けてもらいたい」
――あなたが挙げた18人の中で、この大会に出場した選手は11人か12人。半分程度しかパリへ行けません」
「この大会で日本の優勝に貢献しながらパリへ行けない選手には酷だけど、各々の大会にはレギュレーションがあるので仕方がない。もしパリへ行けなくても、五輪はあくまでも年齢別の大会であり、選手にとってはあくまでも通過点。今回、厳しいアジアの大会を勝ち抜いたことを胸に刻み込み、引き続き努力を積み重ね、輝かしい未来を切り開いてほしい」
この大会を通じて、長時間、チアゴ記者に話を聞いてきた。
彼は、日本と日本文化を愛し、日本のフットボールを応援してくれる一方で、冷徹な眼でフラットに事象を眺め、我々に異なる視点とアイディアを提示してくれる。長年ブラジルに住み、ブラジルと南米のフットボールを眺めてきた筆者にとっても、参考になることが多かった。
<第1回からつづく>