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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「小久保玲央ブライアン…PKストップ後の涙が物語るね」ブラジル人記者が絶賛も攻撃は? アジア王者U-23日本を“五輪メダル目標”視点で評価
posted2024/05/06 11:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
NurPhoto/Getty Images
「大会前、日本にとってのノルマはパリ五輪出場権を獲得することだった。しかし、選手たちはそれ以上のことを見事にやってのけた。彼らにとって、そして日本のフットボールの未来にとって、実に素晴らしい大会となった」
ブラジルのスポーツメディアきっての日本通であるチアゴ・ボンテンポ記者(38)は、U-23アジアカップ決勝の日本の勝利に興奮していた。彼が日本のフットボールについて執筆しているブラジルメディア『グローボ・エスポルチ』でも今大会のレポートをいち早く配信していることからも、日本への愛情は強く伝わる。
その一方で、彼ならではの冷徹な眼と批判精神も忘れていなかった。
大岩監督は慎重だから山本を先発させたのだろう
――大岩剛監督は、準決勝から先発メンバーを3人変更。攻撃的MFを荒木遼太郎(FC東京)から山本理仁(シント・トロイデン)に、右ウイングを山田楓喜(東京ヴェルディ)から藤尾翔太(町田ゼルビア)に、そして左ウイング平河悠(町田ゼルビア)を佐藤恵允(ブレーメン)に替えました。
「同じポジションで、準決勝でのプレー時間が短く、疲れていない選手を先発させた。フィジカルコンディションを考慮したのだと思う」
――準決勝同様、荒木を先発で起用して前半の早い時間帯に先制し、試合をコントロールして勝ち切る、というゲームプランもありえたのでは?
「僕もそう思う。でも、大岩監督は万事において慎重だから、より守備力が高い山本を先発させたのだろうね」
――対戦相手のウズベキスタンは左ウイングのエルキノフ、MFファイズラエフ、CBクサノフの主力3人が、所属クラブからの要請でチームを離脱。欠場を余儀なくされました。
「A代表でも活躍している3人が欠けたのが、痛手でなかったはずがない。しかし、彼らの代わりに出場した選手たちは、非常に強いモチベーションを持ってプレーしていた。チーム全体から、『長年、アジアのトップに君臨している日本を倒してやろう』という強い気持ちをひしひしと感じた」
「何が何でも優勝する」という意気込みが感じられた
――試合前、あなたは「共にパリ五輪出場という目標を達成した状況で、両国選手のモチベーションの差が勝敗を左右するかもしれない」と語っていました。