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“飛ばないバット”でも「長打は必要。悔しさ100%」報徳学園センバツ2年連続準V…“夏への宿題”は「ロースコアに持ち込めば」以上の力 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2024/04/01 17:00

“飛ばないバット”でも「長打は必要。悔しさ100%」報徳学園センバツ2年連続準V…“夏への宿題”は「ロースコアに持ち込めば」以上の力<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2年連続センバツで準優勝となった報徳学園。夏に向けて甲子園から何を持ち帰るか

「選手は本当によく戦いました。去年は悔しさ半分でしたが、今年は悔しさが100%です。長打が出ませんでした。しっかりバットの芯で捉えることが大事ですが、長打は必要ですね」

 選手たちも長打の必要性を痛感していた。4番の斎藤は「相手は力強い打球が飛んでいました。単打では盗塁やエンドランを絡めないと、1つずつしか塁に進めません。長打は得点のチャンスが広がりますし、チームの雰囲気を変える力もあります」と力を込めた。そして、こう続けた。

「同じ戦い方では日本一にはなれません。苦しい時に誰かが長打を打てるチームになって夏は甲子園に帰ってきたいと思います。その誰かに自分がなるつもりです」

低反発バットでも芯に当たれば長打になる

 斎藤以外の選手も日本一に向けて長打を課題に挙げる。ただ、スイングを大きくして長打を増やすつもりはない。

 あくまで意識するのは、バットの芯で捉えて外野の頭を越える打球や外野の間を抜く打球だ。斎藤は「もっとスイングを強くして飛距離を伸ばします」と話す。3番の西村も「センター方向に強い打球を打つ基本は変わりませんが、ミート率を上げていく必要があります。低反発バットでも芯に当たれば長打になると思っています」と語った。

 結果は昨年と同じ準優勝だった。だが、今年は日本一をはっきりと視界に捉えていた。「球際の強さ」と「長打不足」。報徳学園は夏の頂点に向け、1年前とは質の違う収穫と宿題を手に聖地を去った。

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