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センバツ21世紀枠・田辺の衝撃…大応援団が絶叫した『田辺が大将』とは? 星稜に大善戦、観客全体が一体に…現地ウラ話「夢の中にいるみたい」 

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梅津有希子

梅津有希子Yukiko Umetsu

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posted2024/03/19 06:00

センバツ21世紀枠・田辺の衝撃…大応援団が絶叫した『田辺が大将』とは? 星稜に大善戦、観客全体が一体に…現地ウラ話「夢の中にいるみたい」<Number Web> photograph by Yukiko Umetsu

星稜に善戦した21世紀枠の田辺。アルプスから聞こえた応援曲「田辺が大将!」とは?

 田辺の応援曲は、同曲や『田辺が一番』など全7曲。甲子園応援では「選手1人につき1曲」「6回でやる曲」「ホームランの時の曲」「チャンステーマを数パターン」など、さまざまな工夫で15曲ほど用意する学校が多く、中には30~40曲を用意してくる吹奏楽部もある。その中で田辺が厳選したラインナップで臨んだ理由に、「中学生の皆さんに応援を手伝ってもらっているので、曲が多いと負担がかかってしまう」「応援席には一般市民の方も多く、曲目が多かったり複雑な掛け声だとついてこられなくなってしまうため、できるだけシンプルにしました」と吹奏楽部顧問の湯川功規氏。奈良の強豪・天理高校がまさに同様の理由で、特に吹奏楽コンクールと日程が重なりがちな夏の甲子園では、吹奏楽部OBや中学生が応援することも。それゆえ、“助っ人”に負担をかけないように、何十年にもわたり曲を変えないという確固たるポリシーがある。

甲子園に感激「夢の中にいるみたい」

 応援席にいるすべての人が置いてけぼりにならず、「誰もが応援しやすい曲を選ぶ」重要性にあらためて気づかされた。

 初めて甲子園で指揮を振る顧問の湯川氏に感想を聞いたところ「(地元・和歌山の)紀三井寺球場はわりとフラットな作りなのでさほど響かないんですけど、甲子園は音の飛び方や抜け方がまるで違う。スコーンと抜けて、とても気持ちいいですね。何だか夢の中にいるみたいで、ほんとうに信じられないです」と興奮気味に話してくれた。

 29年ぶりにアルプススタンドに響いた『田辺が大将』。優勝候補の星稜と善戦した戦いぶりはもちろん、観客席全体を巻き込んだ大声援で、さわやかに甲子園を去った。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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