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センバツ21世紀枠・田辺の衝撃…大応援団が絶叫した『田辺が大将』とは? 星稜に大善戦、観客全体が一体に…現地ウラ話「夢の中にいるみたい」
posted2024/03/19 06:00
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
センバツ大会創設100年となる令和6年の春。大会1日目から2試合がタイブレークとなるなど、熱戦が繰り広げられている。初日に鮮烈な印象を残した高校が、21世紀枠で出場した田辺だ。星稜に惜敗し、76年ぶりのセンバツ勝利とはならなかったが、全校生徒や地元民による大応援団でびっしり埋まったアルプススタンドから割れんばかりの大歓声を浴びた。
響いた掛け声「田辺が大将!」とは?
熱戦に華を添えたのが、132人という大所帯による吹奏楽部の応援だ。自校の現役部員+OB・OGが45人、地元の高雄中、明洋中、東陽中の3校の中学生が87人という構成で、まさに市を挙げての大編成となった。
応援曲の中でももっとも盛り上がったのが、チャンステーマの『田辺が大将』。フォークバンド、海援隊が1977年にリリースした『あんたが大将』の替え歌で、『サウスポー』や『狙いうち』などの懐メロが目立つ高校野球応援の世界に、彗星の如く現れた“新・昭和歌謡”といえるだろう。
チャンスになると、武田鉄矢が繰り返し歌った「あんたが大将!」というサビのフレーズを、「田辺が大将!」と替えて大声で叫ぶ。この応援を考案したのは同校応援団OBの杉原康司さん(74歳)で、車椅子でアルプススタンドに駆けつけた。同曲を甲子園で聴くのは、1995年の夏の甲子園以来29年ぶりといい、「あの年は阪神・淡路大震災の年で、応援も自粛ムードで大々的にはできなかった。今日は大応援団による『田辺が大将』が聴けて、もう感激で胸がいっぱいです」と目を潤ませる。
高校生から人気「自慢の応援です」
3月に卒業した野球部OBの脇坂颯太君も、「『田辺が大将』が一番好きな応援曲」といい、「最近TikTokなどで人気の流行曲は、アップテンポの曲がほとんど。『田辺が大将』はゆったりとしたテンポが堂々とした雰囲気で、『田辺が大将!』という掛け声で観客全体を巻き込み、一体感が生まれる。とてもかっこよくて自慢の応援です」と笑顔で話す。