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サンフレッチェ新スタジアム「ピースウイング広島」は目が潤むほど最高の立地かつ環境…ファンはもちろん全利用者目線で魅力だらけ〈現地探訪〉 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2024/02/29 17:29

サンフレッチェ新スタジアム「ピースウイング広島」は目が潤むほど最高の立地かつ環境…ファンはもちろん全利用者目線で魅力だらけ〈現地探訪〉<Number Web> photograph by Atsushi Iio

市街地に建った「エディオンピースウイング広島」。サンフレッチェの新本拠地を様々な角度から探訪してみた

 エレベーターで記者席のある6階に上がると、壮大な光景が広がっていた。収容人数は約2万8500人と決して大きくないが7階建てで、スタンドの傾斜がしっかり取られているから、ピッチを上から見下ろすかのようだ。正面の緩やかなアーチを描いた屋根のフォルムも美しい。

 サンフレッチェのファン・サポーターが陣取るゴール裏(南サイドスタンド)はアウェイゴール裏の2倍以上の客席が設けられ、ホームの利を得やすい構造になっている。コンコースを通ってスタジアム内を1周できるのも、ファン・サポーターにとって魅力だろう。

カープ本拠地とともに“日本一のスポーツ観戦環境”

 リーグ戦での席種はなんと42もあり、カウンターシート、スイートテラス、テーブルテラス、パーティテラス、センサリールーム、ビジネスラウンジ、プレミアムスカイボックスなど、家族連れから団体、ビジネスと、用途に合わせて選べるようになっている。この辺りは広島カープの本拠地、MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島を参考にしているのかもしれない。広島のスポーツ観戦の環境は、間違いなく日本一と言える。

 ピッチとスタンドの距離は最短で8mだから、臨場感や迫力は申し分ない。それはファン・サポーターだけでなく、実際にプレーする選手たちも感じたところだ。アウェイの浦和レッズの選手たちも感激しきりだった。

 試合後、ペア・マティアス・ヘグモ監督が会見の最後に「サンフレッチェ広島には勝利おめでとうございますと言いたい。広島市、サンフレッチェ広島には、この素晴らしいスタジアムを称えたいと思います」と賛辞を送ると、スウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンも開口一番、「素晴らしいスタジアムでしたし、雰囲気も素晴らしかった」と口にした。

 現在は工事中だが、スタジアムの隣には広大な芝生広場が誕生するようだ。そこには飲食店からキッズプレイパーク、フィットネス・サウナ、BBQ施設ができる予定で、スタジアムと公園が一体化した市民の新たな憩いの場となることだろう。

 試合後、スタジアムを後にして公園を横切って街中に出ると、この日の来場者に配られた紫の「オリジナルフリースポンチョ」を抱えた親子を、カップルを、友だち同士のグループをたくさん見かけた。観戦を終えたその足で繁華街に繰り出していく光景を見て、あらためてこのスタジアムの魅力が感じられた。広島の街の中心の、最高の立地に造ることができたんだな、と。

 今回の訪問は前泊だったが、次の機会は絶対に後泊して、試合後そのまま広島の街に繰り出そう――そう誓って、バスセンターから広島空港に向かった。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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