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ネガティブな報道が多かった“外国人鬼コーチ”「日本人は目を見て話すのが苦手…」なぜエディー・ジョーンズの会見はこれほど面白いのか?
posted2024/01/18 17:01
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
AFLO
1月15日、外苑前にある日本青年館の8階で行われた記者会見。
「エディー・ジョーンズ新ヘッドコーチによるラグビー日本代表強化プランに関するメディアブリーフィング」
14時から始まった会見は14時50分には終了する予定だったが、挙手していた記者の質問にはすべて答えるという応対で、終わった時には15時を過ぎていた。
その日から、ネットニュースに見出しが並ぶ。
大谷翔平がレンタルできたら、いいナンバー8になれる。
AIを活用した練習法を実践する。
ほかの競技で成功している日本代表、バスケットボールと野球の監督とは意見交換をしたい……などなど。
「こんなに面白い会見は久しぶり」
しかし、私がこの日に感じたのは、
「こんなに面白い会見は久しぶり」
ということだった。
少なくとも、2020年にコロナ禍が始まってからポストコロナの2024年の今日に至るまで、これだけ面白い会見というのは経験したことがない。
あたかも「エディー・ジョーンズ教授の熱血教室」で、活気が充満していた(通訳の松平貴子さんのパワフルで、ユーモアあふれる日本語訳まで含めて)。
2016年から2023年まで、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチの会見は、いい意味でビジネスライクだった。簡潔にして簡明。それはメディアと適度な距離を保とうとしていたことが影響していたのかもしれない。
「ラグビーはアメフトに近づいている」
しかし、エディーさんのスタイルは違う。