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「マンCの売上高1148億円、浦和レッズ81億円」欧州メガクラブとのケタ違い格差…Jはどう資金力を高めればいいのか〈ブラジルからの視点〉 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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posted2023/12/27 11:04

「マンCの売上高1148億円、浦和レッズ81億円」欧州メガクラブとのケタ違い格差…Jはどう資金力を高めればいいのか〈ブラジルからの視点〉<Number Web> photograph by AP/AFLO

マンチェスター・シティと浦和レッズのクラブW杯準決勝。圧倒的な資金力と人材を誇る欧州メガクラブ相手に、Jクラブは今後どう処していくべきか

 シティは16日プレミアでの試合後、19日の浦和戦では先発メンバー8人を入れ替え、22日の決勝でも5人を変更。7日間に行なった3試合でフル出場したのはGK、右SB、MFの3人だけで、200分以上プレーした選手は5人しかいなかった。

 これに対して、アル・アハリはフル出場したのが5人で、200分以上プレーした選手が8人だった。

“レギュラーをほぼ固定する”戦い方の難しさ

 一方、浦和はフル出場したのがGK西川周作、DFアレクサンダー・ショルツ、DFマリウス・ホイブラーテン、MF安居海渡の4人だが、左SB明本考浩が261分、FWホセ・カンテが244分、MF小泉佳穂が219分、MF岩尾憲が211分、MF伊藤敦樹が213分、右SB関根貴大が200分ピッチに立っており、200分以上プレーした選手が実に10人もいた。

 15、19日の試合の先発メンバーが全く同じで、22日の試合でも右SBが関根から酒井宏樹、右MFが大久保智明からへ関根に代わった以外は同じ。レギュラーをほぼ完全に固定して戦った。これは、マチェイ・スコルジャ監督がレギュラーと控えに大きな能力差があると認識していたからだろう。疲労が蓄積していた選手たちに、3位決定戦であれ以上のプレーを求めるのは酷だったのではないか。

 これに対して、シティはノルウェー代表FWアーリング・ハーランドとベルギー代表のMFケビン・デブライネという攻撃の主力を故障で欠いたにもかかわらず、誰が出てもチーム力が落ちない選手層を有する。それゆえ、いかなる日程にも対応できる。

 また、浦和と同じく年初から年末までのシーズンを終えたばかりのフルミネンセは、72試合を消化している。浦和より12試合、20%も多い。近年の世界のフットボールで、一定レベル以上のクラブがシーズンに60試合前後をこなすのは珍しくない。どの大会でもタイトルを目指すようなクラブであれば、この程度の試合数なり過密日程をこなせるようなチームを編成しなければならない。

マンC=1148億円、浦和=81億円という格差

 浦和のレジェンドであるワシントンが第1回の電話インタビューで指摘したように、シティと浦和の差はプレミアリーグを始めとする欧州トップリーグとJリーグの財力の差でもある。

 2022年のJ1のクラブの売上高は、浦和が最高で約81億円。以下、川崎フロンターレ、横浜Fマリノス、ヴィッセル神戸、鹿島アントラーズと続き、最少は湘南ベルマーレの約25億円だった。

 これに対して、2021-22シーズンの世界の売上高ランキングは――文字通りケタ違いとなる。

【次ページ】 マンC=1兆円超、浦和=81億円という格差

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