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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「コウロキたちを励まし、今も浦和の一員だと」伝説のFWワシントンが現地観戦でボヤく“マンC圧勝劇”の無情「資金力が…極めて困難だ」
posted2023/12/27 11:03
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Khalid Alhaj/MB Media/Getty Images,Takeo Momozono
「浦和は、良く頑張ったと思うよ。難敵レオン(メキシコ)を倒し、巨大なマンチェスター・シティにも食い下がった。ただ、後半は力の差が出てしまったけれどね」
「3位決定戦は、残念だった。選手たちは酷暑の中で(8日間に)3試合を戦って、かなり疲れていたと思う。コンディションが良かったら、勝てた相手だったんじゃないかな」
12月12日から22日までサウジアラビアで開催されたクラブ・ワールドカップ(W杯)の準決勝2試合と3位決定戦、決勝を現地で観戦した元浦和レッズFWワシントン(48)の言葉である。
ワシントンは古巣の浦和、フルミネンセを現地で見た
2006年のJリーグで26得点をあげて得点王に輝き、Jリーグ初制覇に貢献。2007年のアジア・チャンピオンズリーグで優勝すると、この年のクラブW杯で当時カカらを擁するミランとも対戦。3得点をあげて得点王となり、3位に食い込む原動力となった。退団後は今大会の南米代表フルミネンセ(ブラジル)などにも所属した経験を持つ。
今年の大会には、六大陸の王者と開催国王者の7チームが参加。欧州代表のマンチェスター・シティ(以下、シティ)が準決勝でアジア代表の浦和を3-0、決勝でフルミネンセを4-0と圧倒して初優勝を達成した。
一方で浦和は、3位決定戦でアフリカ代表のアル・アハリ(エジプト)に2-4で敗れ、4位に終わった。
日本で最も多くのサポーターとファンを持つクラブであり、この大会にも数百人のサポーターが駆け付けて懸命に応援した。加えて資金力でも、Jリーグ屈指。その浦和をもってしても、シティ戦はほとんど決定機を作れず、守勢に回る時間帯が長かった。浦和のレジェンドであるワシントンは、この大会で何を見て、何を感じたのか。
コウロキらと会って“今も浦和の一員だと”
――準決勝で、浦和は試合を通じて、シティに主導権を握られました。決定機は、後半、途中出場の中島翔哉がGKと1対1になった一度だけ。一方、シティには多くの決定機を作られました。
「シティは、世界選抜のようなチーム。すべてのポジションに、強豪国の代表で中心選手として活躍する選手を複数抱えている。そして、ペップ(グアルディオラ)という世界で最も優れた監督がたっぷり時間をかけて強化してきた。高い位置からのプレスは強力無比で、ボールを奪ってからの攻撃も破壊力満点だった」
――端的に言って、シティと浦和の差は?