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〈パ打者:貢献度指標ランキング〉ここ2年の1位は吉田正尚・近藤健介も投高打低は続く…“山川穂高ほぼ全休+森友哉FA”に西武は泣いた 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/12/31 11:09

〈パ打者:貢献度指標ランキング〉ここ2年の1位は吉田正尚・近藤健介も投高打低は続く…“山川穂高ほぼ全休+森友哉FA”に西武は泣いた<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/JIJI PRESS

パ野手の「打撃貢献度指標」トップは22年が吉田正尚、23年は近藤健介とともにWBC戦士だったが全体を見ると……。

 リードオフマンの三森大貴が出遅れたうえに、外国人打者が全く振るわず、打線としては昨年を下回った。ベテランが多く、新しい戦力の台頭が見られなかった。

 楽天は浅村栄斗が健在。島内宏明は不振に陥ったが、小深田大翔、小郷裕哉が成長。MLBで実績のある新外国人フランコは振るわなかったが、上位の数字をキープ。しかし先発投手陣の高年齢化によって、打線を活かすことができなかった。

 ロッテは昨年は長打力不足に苦しんだが、レアード、マーティン、エチェバリアを放出し、巨人から獲得したポランコが26本ながら本塁打王を獲得。また山口航輝の成長もあって上位に割り込む数字となった。ただし23年はリードオフマンとして活躍した髙部瑛斗が胸郭出口症候群を発症し戦線離脱。荻野貴司もフルで働けないなど、アクシデントが目立ったシーズンだった。

旬の打者を起用したオリ、ハムは万波が急成長

 オリックスは2022年の絶対的な主軸だった吉田正尚がMLBに移籍し、打線弱体化の危機だったが森友哉を西武から獲得。さらに頓宮裕真が初めて規定打席に到達して首位打者、中川圭太も主軸の働き。紅林弘太郎も成長し、上位戦線に踏みとどまった。

 中嶋聡監督は前半戦で、独立リーグ出身、育成上がりの新人、茶野篤政を1番に据えるなど「旬の打者」をどんどん抜擢。130通り以上の打線を組んで、ペナントレースを巧みに戦った。この点「打線を固定した」阪神、岡田彰布監督とは誠に対照的だが、選手を見極めることができれば、こういう戦い方もあるということ。オリックスのファーム、一軍半に優秀な若手打者が育ってきていることも見逃せない。

 日本ハムは2022年、新庄剛志監督が初球から打っていく「積極打法」を奨励したが、その結果出塁率が低下。今季は、そうした極端な作戦はとらなかった。近藤健介は抜けたが、万波中正が急成長、野村佑希、清宮幸太郎も進境を見せた。中日から移籍のアリエル・マルティネスもそこそこ働いた。しかしながら打線の迫力では、他チームに比べて見劣りがした。

西武は“森FA+山川ほぼ全休”があまりに痛すぎた

 西武は、前年の二冠王・山川穂高がスキャンダルでほぼ全休。もともと「山川恃み」の打線だっただけにこれが大きく響いた。さらに森友哉もオリックスにFA移籍。40歳を迎えた中村剛也、栗山巧が中軸を打つことも多かった。そんな中で外崎修汰の奮闘が目立ったが、全体的な戦力低下は著しく、リーグ上位の投手陣をしっかり援護することができなかった。

 パ・リーグの打撃面では「外国人打者」の不振が目立つ。今オフも多くの外国人打者と契約しているが、戦力になる選手は少ない。

 打撃面では「使える外国人選手」を獲得することがポイントになるのかもしれない。

 来季は、山本由伸、上沢直之、松井裕樹と先発、救援のトップクラスの投手が移籍すると思われる。山川穂高のソフトバンク移籍も決まった。リーグはやや「打高」に振れるのではないか。引き続き注視していきたい。

<関連記事:パ投手、セ打者、セ投手編も配信中です>

#4に続く
先発トップ山本由伸、救援2位の松井裕樹がメジャーに去るが…3位以下を見ると「投手王国オリ」は盤石か〈パ投手:貢献度指標ランキング〉

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