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山本由伸が大谷翔平と「25年ドジャースのWエース」になるために…462億円契約、オリ72億円ゲットより「1年目の球数」が気になるワケ
posted2023/12/23 17:13
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kiichi Matsumoto,Icon Sportswire/Getty Images
山本由伸がロサンゼルス・ドジャース入りを決めたのは、やはり大谷翔平の説得が効いたからなのか――?
報道によれば、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンも同席したという(ベッツはいなかったとの報道もあるが)。MVP選手3人がにこやかに「やあ、待っていたよ」と声をかけるは相当な効き目があっただろう。
ニューヨーク・メッツは大富豪のスティーブ・コーエンオーナーが、アメリカと日本で2回にわたって山本由伸と会食したという。日本では、大阪でフレンチを味わったそうだ。その時は舌鼓を打っただろうが、今の“後味”はどんなものなのだろうか? さらに、ニューヨーク・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、山本由伸の2年連続となる「ノーヒットノーラン」を目の前で見て、獲得に本腰を入れる気になったとのことだが……。
12年462億円、オリに約72億円の譲渡金など天文学的だが
MLB屈指の金満球団が競り合った結果として、当初は2億ドル前後と言われていた山本由伸の契約は――大谷翔平の10年を上回る12年、総額3億2500万ドル(約462億円)となった。恐らく大谷翔平が「後払い」契約にしたことで、ドジャースとしては山本由伸獲得の原資も出てきたのだろう。
山本由伸はポスティングでのMLB移籍である。
送り出す立場のオリックスには「ポスティングフィー(譲渡金)」が入る。2017年までは、ポスティングフィーの上限は2000万ドルとなっていたが、2018年に改定され、契約総額が2500万ドル以下の場合はその20%、2500万ドルを超えて5000万ドルまでの場合は17.5%、5000万ドルを超えた場合には15%がかかるというルールになった。
山本由伸の場合、ポスティングフィーは5062万5000ドル(約71億8875万円)になるという。
2024年シーズンに向けてのオリックスの年俸総額は24億円弱とされる。リーグ3連覇で選手年俸は軒並みアップしたが、それでもこの程度である。
昨年は、チームの主軸・吉田正尚がボストン・レッドソックスと5年総額9000万ドル(当時のレートで約121.5億円)で契約。オリックスは、レッドソックスから1537万5000ドル(約21億円)の譲渡金を支払われた。今季、オリックスは森友哉をFA移籍で獲得したが、吉田のポスティングフィーは、その原資になっただろう。
さらに山本由伸の移籍によって、オリックスは年俸総額の3倍近い譲渡金を手にする。
過去のポスティングでの移籍に際しては、受け取った球団の本拠地球場の照明施設の改善、二軍球場の改装が行われたり、ファンクラブのグッズが豪華になったりした。
オリックス・バファローズという球団は、巨額の譲渡金をどのように使うのか? これも気になるところではある。
山本由伸が加わったドジャース投手陣を見てみると
さて、12月22日時点のドジャースのアクティブ・ロースターに、山本由伸を加えると、投手の陣容はこのようになる。