なかなか長打が出ないパ・リーグでは、打撃で圧倒するよりは「戦える戦力を維持する」ことが大事になって来る。そのうえで「投手力」で雌雄を決するということだ。

　打撃の総合指標RCでいえば、2022年はソフトバンク、楽天、オリックスが3強、ロッテ、西武、日本ハムが3弱だった。2023年はソフトバンク、楽天、ロッテ、オリックスがほぼ同レベルの数字を残し、西武と日本ハムが、大きく水をあけられていた。

ポランコは巨人からロッテに移籍し、本塁打王を獲得した　©JIJI PRESS

ここ2年の“打撃貢献度指標”トップ20を見てみると

　個人成績の2022年と23年の比較。RC順に20傑まで。*は左打者。

〈2022年〉
　*吉田正尚（オ）412打138安21本88点4盗 率.335 RC102.56
　山川穂高（西）448打119安41本90点 率.266 RC93.8
　*島内宏明（楽）541打161安14本77点5盗 率.298 RC89.32
　浅村栄斗（楽）532打134安27本86点4盗 率.252 RC86.84
　中村奨吾（ロ）498打128安12本68点15盗 率.257 RC73.55
　*柳田悠岐（SB）437打120安24本79点2盗 率.275 RC72.53
　松本剛（日）395打137安3本44点21盗 率.347 RC68.84
　*髙部瑛斗（ロ）541打148安3本38点44盗 率.274 RC64.86
　*近藤健介（日）325打98安8本41点8盗 率.302 RC64.29
　中川圭太（オ）424打120安8本51点11盗 率.283 RC63.06
　今宮健太（SB）450打133安7本47点3盗 率.296 RC62.19
　*辰己涼介（楽）409打111安11本35点12盗 率.271 RC60.41
　*宗佑磨（オ）469打127安5本43点4盗 率.271 RC57.74
　*牧原大成（SB）409打123安6本42点13盗 率.301 RC56.07
　荻野貴司（ロ）326打101安5本27点15盗 率.310 RC55.85
　*清宮幸太郎（日）406打89安18本55点4盗 率.219 RC53.04
　*安田尚憲（ロ）388打102安9本47点1盗 率.263 RC52.54
　*小深田大翔（楽）424打113安2本29点21盗 率.267 RC51.07
　*三森大貴（SB）393打101安9本36点20盗 率.257 RC50.37
　*鈴木大地（楽）408打105安5本35点4盗 率.257 RC50.25

〈2023年〉
　*近藤健介（SB）492打149安26本87点3盗 率.303 RC114.13
　*柳田悠岐（SB）546打163安22本85点1盗 率.299 RC100.33
　浅村栄斗（楽）522打143安26本78点2盗 率.274 RC89.66
　万波中正（日）533打141安25本74点2盗 率.265 RC77.38
　*森友哉（オ）384打113安18本64点4盗 率.294 RC75.6
　外崎修汰（西）503打131安12本54点26盗 率.260 RC72.68
　頓宮裕真（オ）401打123安16本49点 率.307 RC70.82
　中川圭太（オ）506打136安12本55点5盗 率.269 RC69.64
　*ポランコ（ロ）447打108安26本75点 率.242 RC64.72
　*中村晃（SB）511打140安5本37点 率.274 RC64.26
　マキノン（西）464打120安15本50点1盗 率.259 RC61.42
　*辰己涼介（楽）434打114安9本43点13盗 率.263 RC61.14
　*小深田大翔（楽）477打123安5本37点36盗 率.258 RC59.12
　松本剛（日）507打140安3本30点12盗 率.276 RC54.8
　野村佑希（日）423打100安13本43点4盗 率.236 RC52.62
　岡大海（ロ）319打90安7本33点15盗 率.282 RC52.53
　マルティネス（日）386打95安15本66点 率.246 RC52.25
　*小郷裕哉（楽）390打102安10本49点13盗 率.262 RC51.42
　山口航輝（ロ）421打99安14本57点 率.235 RC51.22
　*清宮幸太郎（日）356打87安10本41点2盗 率.244 RC50.29

ホークスは近藤、柳田はさすがなのだが…

　ソフトバンクはFAで日本ハムから移籍した近藤健介が本塁打、打点の二冠。復調した柳田悠岐とともに1、2位を占めた。そこだけを見れば順調だったように見えるが、そのほかの選手の指標を見ると、趣が変わってくる。

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