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〈パ打者:貢献度指標ランキング〉ここ2年の1位は吉田正尚・近藤健介も投高打低は続く…“山川穂高ほぼ全休+森友哉FA”に西武は泣いた

posted2023/12/31 11:09

 
〈パ打者:貢献度指標ランキング〉ここ2年の1位は吉田正尚・近藤健介も投高打低は続く…“山川穂高ほぼ全休+森友哉FA”に西武は泣いた<Number Web> photograph by Nanae Suzuki/JIJI PRESS

パ野手の「打撃貢献度指標」トップは22年が吉田正尚、23年は近藤健介とともにWBC戦士だったが全体を見ると……。

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki/JIJI PRESS

 関西2球団の優勝で幕を閉じた2023年プロ野球。セパ投手・野手を「貢献度指標」でランキング化した。《全4回の3回目/セ投手編セ打者編パ投手編も配信中です》

 セ・リーグに続いてパ・リーグの今季打撃陣について数字で振り返る。

 2022年と2023年のパ・リーグ6球団のチーム打撃成績を見ていこう。

 打撃の総合指標であるRC順、一般的な本塁打、打点、盗塁、打率に加え、出塁率、さらにセイバー系の指標であるIsoD(Isolated Discipline)も表示した。これは「出塁率-打率」で求められる。四死球だけによる出塁率だ。

〈2022年〉
 ソフトバンク: RC 584.06/108本 529点 86盗 率.255出.320 IsoD.065
 楽天: RC 566.91/101本 511点 97盗 率.243出.325 IsoD.082
 オリックス: RC 546.75/89本 466点 62盗 率.246出.317 IsoD.071
 ロッテ: RC 501.31/97本 474点 132盗 率.231出.303 IsoD.072
 西武: RC 490.35/118本 441点 60盗 率.229出.298 IsoD.069
 日本ハム: RC 479.61/100本 441点 95盗 率.234出.292 IsoD.058

〈2023年〉
 ソフトバンク: RC 567.75/104本 513点 73盗 率.248出.319 IsoD.071
 楽 天: RC 551.89/104本 485点 102盗 率.244出.321 IsoD.077
 ロッテ: RC 545.79/100本 475点 73盗 率.239出.311 IsoD.072
 オリックス: RC 541.86/109本 482点 52盗 率.250出.311 IsoD.061
 日本ハム: RC 478.25/100本 443点 75盗 率.231出.297 IsoD.066
 西 武: RC 467.39/90本 414点 80盗 率.233出.296 IsoD.063

 セ・リーグの場合、「四球は安打と同じや」という阪神・岡田彰布監督の考えが功を奏し四死球だけの出塁率=IsoDが大幅に伸びた阪神が優勝したが、どのリーグでもどの時代でも同じセオリーが通用するわけではない。

 パ・リーグは2022、23年と極端な「投高打低」になった。オリックスの山本由伸、ロッテの佐々木朗希をはじめとする優秀な投手陣が大活躍して投手戦が多くなった。このために、シーズン通して活躍する打者が減り、規定打席到達者は2022年が21人、2023年は22人と2021年の29人、2020年の26人と比べて大幅に減った。

26本塁打、87打点のタイトルは歴史的な低水準

 特に長打についていえば、2023年は、2022年に比べても極端に少なくなった。

 2022年は西武の山川穂高が41本塁打90打点で二冠王となったが、2023年は楽天の浅村栄斗、ソフトバンク近藤健介、ロッテのポランコが26本塁打でタイトルを分け合い、打点はソフトバンク近藤健介の87打点が最高だった。

 26本塁打でのタイトルは1959年、大毎の山内和弘が25本で本塁打王になって以来の低水準。87打点も1995年にオリックスのイチロー、ロッテの初芝清、日本ハムの田中幸雄が80打点でタイトルを分け合って以来の数字だった。

【次ページ】 ここ2年の“打撃貢献度指標”トップ20を見てみると

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オリックス・バファローズ
千葉ロッテマリーンズ
東北楽天ゴールデンイーグルス
福岡ソフトバンクホークス
埼玉西武ライオンズ
北海道日本ハムファイターズ
吉田正尚
近藤健介
森友哉
頓宮裕真
山川穂高
グレゴリー・ポランコ
浅村栄斗

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