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「自分の責任」「きつかった」今季60戦目の浦和レッズは限界を超えていた…TV中継なきクラブW杯4位、25年“新装大会”でのJリーグへの要望
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKyodo News
posted2023/12/24 11:09
アフリカ王者アル・アハリにも敗れた浦和レッズ。クラブW杯4位という成績が彼らと日本サッカーに残した課題とは
「そこの差というより、今日は試合を通じて高い強度を保たないといけない試合でした。ハーフタイムで何人かの選手を交代するというゲームプランはそもそもありましたが、前半は持ってくれるだろうと思っていました。しかし、レオン戦で見せた強度を前半を通じて保つことができませんでした」
とはいえ、同じメンバーで戦い続けるのは、入れ替えられない理由が明確にあるわけで、指揮官の望む選手層でなかったことは確かだろう。助っ人がベンチに座っているようでは、夏に獲得した選手が誰ひとりとしてスタメンに食い込めないようでは、補強やチーム編成の失敗を指摘されても仕方がない。
浦和には“1年半後の新クラブW杯”挑戦のチャンスがある
ボロボロになりながら年間60試合を戦い抜き、クラブW杯で精も根も尽き果てた浦和レッズにとって“ご褒美”と言えるのが、25年夏のクラブW杯への出場だ。
今大会で世界を体感した熱が冷めないうちに、ここから1年半の成長を確かめる舞台が用意されているのは、この上ない幸運だ。
その幸運の半分は自分たちがACL(AFCチャンピオンズリーグ)を制して掴み取った成果だが、半分はクラブW杯が4年に一度、32チームが出場するビッグトーナメントにリニューアルされるという巡り合わせによるものだ。
例えば、今季のJ1王者のヴィッセル神戸がクラブW杯に出るためには、2024/25シーズンのACLに優勝した上で、今から5年半後の29年大会まで待たなければならない(クラブW杯に代わってインターコンチネンタルカップが新設され、毎年行われる予定)。
言い換えれば、浦和は今大会と25年大会の経験を通して、クラブとして一気に突き抜けるチャンスを手にしていると言っていい。
18年鹿島以来のクラブW杯も、テレビ中継なしの残念さ
今季から指揮を執ったスコルジャ監督は今春のACL決勝で勝つことを目標にチーム作りを始めたが、ペア・マティアス・ヘグモ新監督は1年半後のクラブW杯での上位進出を狙ってチーム作りをスタートできる。その幸運を選手たちも、クラブとしても、しっかり噛み締め、生かさなければならない。