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「浦和0-3マンC」衝撃の完敗を選手以上に痛感すべきは…“クラブW杯で本気の欧州メガクラブを倒す気概”がレッズ、そしてJリーグ勢にあるか
posted2023/12/21 11:03
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Lars Baron-FIFA/Getty Images
マンチェスター・シティと浦和レッズの選手たち、各国の記者でごった返す試合後のミックスゾーンを、出番のなかったキャプテンの酒井宏樹が通り過ぎていく。
試合に出場した選手を優先的に取材する必要があるから、声をかけることはできなかったが、出口へと向かうその背中を見ながら、前日に彼が発した言葉を思い出していた。
「大事なのは失点したあとのリアクションだと思います。やはりポンポンと取られてしまうと、そのまま試合が壊れてしまう。試合を壊してしまうのか、試合を継続させるのかは自分たち次第。例えば(カタールワールドカップの)ドイツ戦でもスペイン戦でも先制されましたけど、そこでチームとしてどうリアクションしたかが結果に反映された。僕らが(ACL決勝第1戦で)アルヒラルと戦ったときもそうでしたよね」
失点は想定内、そこからどうリアクションするか
マリウス・ホイブラーテンのオウンゴールによる前半終了間際の失点は残念だったが、欧州チャンピオン相手に1失点は想定内だろう。
そこからどうリアクションするのか――。
12月19日に行われたクラブワールドカップ準決勝の勝負のポイントは、その一点に集約された。
後半開始早々には小泉佳穂がカイル・ウォーカーからボールを奪い、中央で待つホセ・カンテにパスを通す。カンテの振り向きざまのシュートは相手DFにブロックされたが、反撃の姿勢が現れた好シーンだった。
ところが後半7分、その小泉の背後のスペースから中央にアーリークロスを入れられ、マテオ・コバチッチの飛び出しを許す。中央に絞り切れなかった右サイドバックの関根貴大が振り切られ、痛恨の2失点目を喫してしまう。
光るプレーがいくつかあったのだが
さらに7分後、ベルナルド・シウバに3点目を決められ、勝負は決した。
「速かったですね。相手のファーストタッチも完璧でしたし、追いつけるかなと思ったんですけど、どうにもできなかったです」
関根がそう悔やめば、小泉も反省の弁を口にした。