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「自分の責任」「きつかった」今季60戦目の浦和レッズは限界を超えていた…TV中継なきクラブW杯4位、25年“新装大会”でのJリーグへの要望 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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posted2023/12/24 11:09

「自分の責任」「きつかった」今季60戦目の浦和レッズは限界を超えていた…TV中継なきクラブW杯4位、25年“新装大会”でのJリーグへの要望<Number Web> photograph by Kyodo News

アフリカ王者アル・アハリにも敗れた浦和レッズ。クラブW杯4位という成績が彼らと日本サッカーに残した課題とは

 アル・アハリとの3位決定戦を見届けたあとで感じたのは、ある種の清々しさだった。

 長く濃密だった2023年シーズンの最終戦。退任が決まっているマチェイ・スコルジャ監督の浦和でのラストゲームに勝利して有終の美を飾りたかったが、結果は2-4と見事なまでに打ちのめされた。

 チームとして持てる力を出し尽くしたのは間違いない。その結果、課題や現在地をはっきりと突きつけられたのも事実だ。

 ミドルゾーンで組む守備ブロックはある程度通用したが、ハイプレスの精度や連動性は甘いため簡単に剥がされた。ビルドアップのベースやパターンはあるものの、しっかり整理されておらず、技術レベルにおけるパスミス、コントロールミスも多かった。インテンシティや強度も、疲労を差し引いたとしても足りなかった。

小泉が語った「課題をここまで誤魔化しながら…」

 今大会で復活を印象付けた小泉佳穂が、チームの置かれていた現状を言葉にする。

「チームとしてずっと課題だったことをここまで誤魔化しながらやってきたんですけど、見逃してもらえなかった。負けるべくして負けたかなって。それでもうまいこと、なんとか結果だけは、っていう気持ちだったのですごく悔しいです」

 このチームがやれることはやったという清々しさを覚える一方で、腑に落ちない部分がないわけではない。

 疲労を抱えたレギュラー組からメンバーを入れ替えて戦うという選択肢はなかったか――。

 シーズン後半は起用されるメンバーの顔ぶれがほとんど変わらず、今大会においても準々決勝と準決勝のスタメンはまったく同じ。最終戦で負傷の大久保智明に代わって酒井が起用されただけだった。

「私自身もたくさんのミスを犯した試合でした。選手の疲労の読みでも間違った部分がありました。準備の日数が相手より1日少ない中で、中2日でも十分回復できるだろうと思っていましたけれども、そうではありませんでした」

 3位決定戦は記者会見がなく、選手と同様ミックスゾーンにやってきたスコルジャ監督は、6人の日本人記者に対して自身のミスを素直に認めた。

監督に“レギュラーとサブ組”の差について問うと

 そこで「レギュラー組とサブ組に実力差があるから、サブ組をスタートから起用することができないのでしょうか」と尋ねると、指揮官は首を横に振った。

【次ページ】 監督に“レギュラーとサブ組”の差について問うと

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