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岡田彰布のナゾ「7月8日のある発言」あなたは“7つのアレ”を解読できるか? 研究家もビックリ「あれはあれやで」から「あれ誰や」まで
posted2023/12/02 06:01
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph by
Nanae Suzuki
意外にも、岡田監督が報道陣との一問一答で「アレ」を優勝の意味で使ったのは10回しかなかった。シーズン中は1日だけで、甲子園球場での優勝決定日のインタビュー(3アレ)しかなかった。最も多い1位の「アレ用法」は前の言葉を指す「アレ」(107回)、2位は文脈で読み取らせる「アレ」(106回)だった。〈ランキング結果は#1参照〉。
文脈で読み取らせる「アレ」…あなたは解けるか?
公式戦中の一問一答で、最多となる7回の「アレ」が飛び出た7月8日ヤクルト戦のアレ解釈は最も難しかった。
この日、岡田監督は怒っていた。6回裏1死二、三塁でミエセスが中飛を打ち上げ、犠牲フライで三塁走者・ノイジー生還と思いきや、先に二塁走者・大山悠輔が三塁タッチアウト。得点は認められず、試合は2対3で敗れた。走塁ミスに「アレ」を3回使って嘆いた後、話題は急展開して行った(以下「-」は報道陣の質問)。
-そのうち一つは中日戦で目の前で起きた。(編集部注:今シーズン、大山と同様の走塁ミスがそれまでに2回起きていた。質問にある「そのうち一つ」は5月18日の対中日戦、相手の石川昂弥のミス)
「まあそんなんお前、自分の間近でのプレーやからのう。忘れるもんかな。全部覚えてるで、ええ?高めなんかあかんて、この間も、ええ?あれ誰や。中日でも2ストライクから高めでデッドボールを当てて、なんで同じ事ばっかりするんやろな」
突如として走塁ミスから死球の話題へ移り、「あれ誰や」と記者に聞いている。この「あれ」は誰なのか。続きのコメントを読まなければ、意味が掴めない。
「ヤクルトのキャッチャーの中村は2ストライクから高め構えてる?みんなアウトコースやろ?だから、当たり前のことをやったらええねん。いや、あれはあれやで」
話は5月18日の中日戦から、終わったばかりの7月8日ヤクルト戦に戻った。同時に「あれ誰や」が解決する前に「いや、あれはあれやで」が出てきた。私は混乱した。