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カープの“ポスト西川龍馬”は誰か? 獲りにいくと名乗りを上げた、21年ドラ4田村俊介の才能と課題とは

posted2023/12/04 11:00

 
カープの“ポスト西川龍馬”は誰か? 獲りにいくと名乗りを上げた、21年ドラ4田村俊介の才能と課題とは<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

2021年のドラフトで4位指名を受け、愛工大名電高から広島に入団した田村。プロ入り前は二刀流を目指していた

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 プロ野球界オフ、今年は例年以上に多くの選手が移籍市場に並んでいる。FA選手のみならず、戦力外選手やオプトアウトした選手を各球団が買い手に回る中、西川龍馬がFAでオリックスへ移籍した広島は静観を貫く。

 過去には石井琢朗(当時横浜)や豊田清(当時巨人)などの実績者だけでなく、佐藤祥万(当時DeNA)などを獲得したこともある。西川が抜ける外野でも、ソフトバンクを戦力外となった上林誠知(中日移籍)など獲得可能な選手がいた。オリックスからの人的補償候補に希望する選手がいるか不透明だったが、移籍市場には加わらなかった。

 上限70人の支配下選手登録枠の問題もあるだろう。西川の移籍が決まり、新外国人野手を2選手加えると現状で65人。獲得を目指す新外国人投手2人に、オリックスからの人的補償によるプラス1を合わせると、残る枠は2つしかなくなる。育成選手の支配下選手登録枠や来季途中の補強枠を考えれば、これ以上の獲得は難しい事情があった。

 現場からの声もあったと聞く。新井貴浩監督は実力ある選手が市場に出ていることを認めた上で、現有戦力の若手のチャンスが減ることを危惧。ただでさえ遅れている若手の育成がさらに遅れると、これ以上の選手の獲得を求めなかったという。

 自前で育てて、戦う。広島の伝統へ回帰する決意が、11月21日まで宮崎県日南市で行われた秋季キャンプのメンバー構成に表れていた。参加選手の平均年齢は23.3歳。一軍経験者は少なく、高卒新人3人が名を連ねた。例年にないほどの若返りは、5年ぶりAクラスと躍進したシーズン中に思うように進まなかった若手育成への危機感が窺えた。

「ポスト西川」はだれか。編成上は右打ちの外野手の台頭が望まれるが、一塁と併用の末包昇大を候補から外すと、最有力候補は左打ちの田村俊介だろう。

俊英の課題はケガの多さ

 シュアな打撃で一軍デビューした今季、.364という打率をたたき出した。技術面だけでなく、存在感の強さもほかの若手にはないものだった。

 高卒1年目の2022年は、春季キャンプでの一軍紅白戦で目の覚めるような当たりの二塁打を放ち、強烈なインパクトを残した。今年は一軍春季キャンプに参加してアピールを続け、当初1次キャンプまでの予定からキャンプを完走。オープン戦でも目を見張る内容を見せ、気づけば外野のレギュラー4番手まで上り詰めた。

 開幕7戦目に二軍降格となったのは、一軍のベンチで出番を待つのではなく二軍で数多く打席に立ち、レギュラー陣のアクシデントに備える前向きなものだった。

【次ページ】 3年目のシーズンに向けての決意

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