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テニスPRESSBACK NUMBER
「大坂なおみ財団」がハイチの貧困家庭を支援していた! 両親に聞いた活動の実態「はじまりは、日本のホームレスからだった」
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2023/12/02 11:00
賞金やスポンサー収入がよく話題になる大坂なおみだが、じつは「財団」での支援に力を入れていた。「大坂財団」の代表を務める両親に話を聞いた
20年前に両親が作った学校
かつてまだこれほどの規模ではない頃、大坂もこの施設についてSNSで触れたことがある。全米オープンでの初優勝などで大ブレークする前の年、2017年のオフシーズンにハイチを家族で訪れたときのことだった。そこで、「20年前に両親が作った学校」とさらっと書かれていた内容に当時は驚いたものである。20年前といえば一家がまだ大阪にいて、かなり貧しい生活を送っていたという認識だったからだ。
実際、環さんも昨年刊行した著書の中で、「この頃は、とにかくお金がなかった」「二人でどんなに一生懸命に働いても、給料日前には金欠になってしまうという超貧乏生活でした」などと綴っている。そんな状況で、ハイチに学校を作ったとはいったいどういうことだったのか。今回、あらためてレオナルドに話を聞いた。
レオナルドのバーから始まった支援活動
それは、世間から注目されることもない小さな活動から始まった。彼は当時いくつか仕事を掛け持ちする中で、夜はバーを経営していたという。そこに集まる日本人や外国人たちと親しくなり、苦労を分かち合い、助け合う仲間になっていた。そして、あるとき知った日本の現実に衝撃を受けた。
「本当に驚いたよ。日本にもたくさんのホームレスがいることにね。ショックだった。それで、僕のバーに集まる仲間たちといっしょにおにぎりを作ってホームレスの人たちに配ることを始めたんだ。僕たちは裕福ではなかったけど、少なくとも屋根のあるところで眠っていたし、協力してくれる仲間もいた。日本のホームレスの生活を良くするために、少しでもできることがあるならやりたいと思った。これが『IOA』の本当のスタートだったんだ」