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テニスPRESSBACK NUMBER
「大坂なおみ財団」がハイチの貧困家庭を支援していた! 両親に聞いた活動の実態「はじまりは、日本のホームレスからだった」
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph byGetty Images
posted2023/12/02 11:00
賞金やスポンサー収入がよく話題になる大坂なおみだが、じつは「財団」での支援に力を入れていた。「大坂財団」の代表を務める両親に話を聞いた
もともと両親が始めた活動とはいえ、なおみあっての今だ。しかし、これほど大きな役割を担っている大坂が、自身のハイチへの支援について積極的にアピールしたことはないのではないだろうか。テニスを含め、多くのスターアスリートは自身の慈善活動や寄付について積極的に世に知らせるもので、たとえばロジャー・フェデラーは21歳のときに財団を設立し、母国スイスとアフリカの恵まれない子供たちの生活改善を主な目的として事業を行なってきたことがよく知られている。
積極的に話してこなかった理由
大坂の場合は、ロサンゼルスに約8億円の豪邸を買ったとか、アメリカの女子サッカーチームの共同オーナーになったなどといった超大金の使い方は報じられるが、このハイチ支援こそ日本でももっと知られていい。しかし、レオナルドはそうなることを望んではいなかった。
「僕たちがこのことをあまり積極的に話してこなかったのは、これは僕らの生きがいであって、別に自慢するようなことではないからだ。それに、まだ何の結果も出していない」
なおみは大きなタイトルを獲るとよく言っていた。「両親が喜んでくれることが一番うれしい。いつか大きな恩返しをしたい」。恩返しの方法は、私たちの安易な想像とはスケールが違った。家族への思いが、結果的にハイチの荒れた地に夢の種をも蒔いている。
大坂財団の支援によって、日本の高校に留学したハイチのテニス少年がいる。財団としての「最初の留学生」に話を聞くと……<続く>