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「まるでミステリー」大谷翔平のFA“情報がまったく出ない”ナゾ…重要人物ネズ・バレロとは何者か? 衝撃の結末もある“メジャーの契約事情”
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水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byAFLO
posted2023/11/15 06:00
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大谷翔平と代理人のネズ・バレロ氏(写真は2017年エンゼルス入団時)
明かしていた契約交渉のノウハウ
11月上旬にアリゾナ州スコッツデールで開催されたGMミーティングの会場に、バレロ氏はまったく姿を見せなかった。USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者が11月12日付の記事で伝えたところによると、同氏は開催期間中に会場から離れたホテルに密かに滞在し各球団の幹部と交渉の席につくことが可能な状況だったが、どの球団と接触したかは一切洩れてこなかった。契約交渉は、厳重な情報統制のもと、水面下で静かに進められている。
バレロ氏は以前、ビジネス関連サイトのインタビュー(『Revenue』エピソード797)で契約交渉のノウハウについてこんな話をしている。
「契約交渉の進め方は、選手ごとに柔軟に変える。その選手がただひたすら野球をすることしか考えていないというタイプだったら、交渉はあくまでも成績をベースに進める。その選手がどれだけ優れたプレーヤーかを前面に出して交渉するのみ。しかし、例えばトップクラスの人気を誇るようなスーパースターで、彼がいるだけでその球場にお客さんが足を運んでくれ、多くのグッズが売れるような選手であれば、その選手にどれだけの価値があるかを多方面から考えて交渉を進める。球団側が熱心で積極的な場合、それがどんなにいい話であってもまず選手の意向を聞いてから交渉の席に着く。選手側がどうしても契約したいという球団がある場合は私の方から球団にアプローチをするが、この場合は慎重さが必要。こちらの思惑は見せないように、とにかく慎重を期して話を進めていく」
情報出さず…バレロの狙いは?
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また選手との接し方については、こんな話もしていた。
「選手がもし気が進まないようだったら、それを強いるようなことはしたくない。それをやったところで、いい方向にいくわけがない。選手が理解して柔軟に応じてくれるかもしれないというときは、それが選手にとってどれだけ価値のあることかを説明をする。それでどうするかは選手次第」
ここまでメディアを避けて情報を一切出さないバレロ氏の契約交渉スタイルからいうと、大物FAの契約交渉でほぼ必ず浮上する「ミステリー・チーム」は、大谷の契約交渉の過程ではもしかしたら出る幕はないのかもしれない。もし可能性があるとすれば、マチャドのように“本物”のミステリー・チームが現れ、最後に大谷をさらっていくパターンだろうか。それだけバレロ氏はガードを固め、歴史的な大型契約に向かっている。
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