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「まるでミステリー」大谷翔平のFA“情報がまったく出ない”ナゾ…重要人物ネズ・バレロとは何者か? 衝撃の結末もある“メジャーの契約事情”
posted2023/11/15 06:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
AFLO
MLB史上最高額の5億ドルを超える契約が確実視されている大谷翔平の争奪戦が火ぶたを切られ、アメリカのストーブリーグ(契約更改、移籍の動き)が盛り上がっている。大谷獲得に動く球団として挙げられているのはドジャース、ジャイアンツ、マリナーズ、レッドソックス、ヤンキース、レンジャーズ、メッツ、カブス、パドレス、エンゼルスなど多数。今のところ最有力といわれているのはドジャースだ。
しかし果たしてこのまま有力球団で決まるのか、それともサプライズはあるのか。今オフは実際、ストーブリーグであっと驚くサプライズが起こっているだけに、もしかしたら大谷も……と勘ぐる声も出ている。
衝撃が走った…カブスの新監督
そのサプライズとは、カブスとクレイグ・カウンセル監督の電撃契約だ。今季までブルワーズで指揮を執った同監督はシーズン後に契約が満了となり「大谷に次ぐ注目のFA」とも呼ばれていた。有力な移籍先にメッツとガーディアンズの名が挙がり、米メディアではどちらかに移籍が決まらなければブルワーズに残留するだろうと伝えられていた。
ところが微塵もうわさに出ていなかったカブスと、監督としてはMLB史上最高額の5年総額4000万ドルで契約し、米球界に衝撃が走った。カブスのジェド・ホイヤー編成本部長は、カウンセル監督との契約に漕ぎつけるまで徹底した隠密行動をとったという。限られた関係者以外、誰にも知らせず、球場の離れた場所で同監督と密会し、情報が洩れる暇もなくわずか6日間で契約を成立させた。
メジャーFAの“ミステリー”
メジャーのストーブリーグの場合、大物FA選手の争奪戦にはよく「ミステリー・チーム」が出現することがある。突如として参戦してくるナゾのチームのことで、契約交渉の大詰めに入ったころに突然現れ、獲得競争の最有力の1つに躍り出てくることが多い。だが一般的には、代理人が交渉を有利に進めるために「ミステリー・チーム」の存在があるという情報を流していることが多いとされる。そのため、そのチームの具体的な名前は最後まで明かされることなく終わるケースがほとんどだ。