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「こりゃエラーするわ」荒木雅博が日本ハムの臨時コーチで驚いたエスコンの難易度…中日時代の悔いは根尾昂「内野手として何とかしたかった」その本意は?
posted2023/11/14 11:02
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
10月初旬に中日からの退団が発表されたと思っていたら、11月1日にはエスコンフィールドにその姿はあった。荒木雅博氏である。
日本ハムの秋季キャンプで、内野守備と走塁の臨時コーチを依頼された。新庄剛志監督とは同じ九州人、同時期にセ・リーグでプレーもしたがそれ以上の親交はない。「自分でもビックリ」と話したオファーは、共通の知人を通じて舞い込み、すぐさま監督から直接口説かれた。少しでも選手やチームのためになるのなら、どんな細い糸でもたどっていくのが新庄流。会って話せば、誰とでも心を通わせる自信があるのだろう。
荒木臨時コーチの狙いは…
選手として23年、そのままコーチとして5年。ドラゴンズ一筋の野球人生を終えたばかりの荒木氏だから「まずはのんびり」なんて思いもあったはずだ。しかし、気がつけば北海道に飛び、日本ハムの選手を教えていた。わずか5日間とはいえ、双方に有意義な時間となったはずだ。
二塁手としてゴールデン・グラブ賞6度、打っては名球会員、塁に出れば通算378盗塁。そんな荒木氏に日本ハムが臨時コーチを依頼した理由は、両リーグワーストの94失策と、リーグ3位の75盗塁を成功させる一方で、同ワーストの49盗塁刺を記録した成功率の低さに尽きる。若手を登用し、トライを称賛する一方で、就任3年目を迎える来シーズンは何としても結果がほしい。
「今年のドラゴンズは試合をしていないので、僕は初めてエスコンフィールドを見たのですが、正直『こりゃエラーするわ』と思いました。メジャー(リーグの球場)と同じです。いいとか悪いとかの話ではなく、難しいんです。芝生が長くて、アンツーカーはカチカチに硬い。ゴロは(芝生で)死んで、死んで(アンツーカーで)上がるってイメージです。教科書を捨てて、横で取るくらいの気持ちが必要かなと」