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「水着を着てるほうが悪い」という風潮も…ビーチバレー“ユニフォーム自由化”の現在とは? 村上めぐみが語る「水着/ウエアの選択肢」
text by
吉田亜衣Ai Yoshida
photograph byL)Asami Enomoto、R)Kenji Yamada
posted2023/11/05 11:01
日本代表として東京五輪に出場し、現在は選手会長を務めるビーチバレー選手の村上めぐみ
村上が考えた「法律、環境の整備と自己防衛」
現代のスマートフォンは高機能であり、ズームで選手の局部を狙うこともできる。にもかかわらず、アスリートの肖像を侵害する卑劣な盗撮行為を厳重に取り締まる法律が存在しないのだ。この現状を踏まえ、選手たちはどのようなユニフォームを選択するのか。判断が問われる時がきている。
「悪質な撮影を防止するには、大会側と協力しあって取り締まりをしていく必要があります。実際、現場で怪しい人がいたらスマホの中の画像をスタッフがチェックして、できるだけ現行犯を取り押さえるべく監視しています。被害が減るように、選手のほうからもアイデアを出して、もっともっと選手を守る環境を整えていきたいです。その一方で、選手たち自身もユニフォームとして水着を選ぶのであれば、自己防衛をしていく必要がある。水着を着たまま、会場やお店の中を歩かないとか軽率な行動はしない。撮られてしまったとしたら、半分は水着を選択した選手の自己責任もあると思います。もちろんアスリートを守る法律ができたら一番望ましいですけど」
メディア出演時の「水着/ウエア」も選手が選択すべき
村上は、水着を着る必要性と判断に重きを置き、普段の活動では用途によって使い分けている。
「メディアに出演するときも動くときは水着ですし、お話する場面ではウエアを着ていました。その辺りも選手が自分で判断しないといけないですよね。『これがビーチバレーボールなんだ!』と思えば水着でいいし、『この場面では違う』と思えば、着たくない意志を伝えればいい」
例えば、公式戦では水着を選択し、中高校生に指導する時はTシャツやタンクトップを選べばいい。
「周りから水着を着てほしいと言われても、その時の状況を見て水着がふさわしくなければ、私は着ません! 自分で『今日は水着だ』と判断したときは、納得のうえで水着を着ます」
水着は、ビーチバレーボール選手にとって戦闘服。そして、選手たちの覚悟を示すプライドである。
《続くインタビュー第3回では、ビーチバレーボールという競技の魅力、そして選手会長として見据える未来について伺っています》