酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神「アレ」の勝因は昨年成績とグラフで比べて見るとクッキリ! 岡田監督は「持ってるやん、おーん」“投高打低”から一転チーム力UP
posted2023/09/20 11:05
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
関西地方を中心に、未だ熱気冷めやらぬ18年ぶりの阪神の「アレ」ではあるが――ここは冷静に投打のデータで振り返っていこう。岡田彰布監督のマネジメント、采配が浮かび上がってくる。
2022年は盗塁こそ多いが小粒な打線だった
【打線の比較】
昨年と今年の代表的なオーダーと成績を比較する。*は左打、+は両打、RC打撃の総合指標であるRuns Create。
〈2022年〉
1(遊)中野拓夢* 135試569打157安6本25点23盗 率.276 RC59.67
2(右)島田海吏* 123試311打82安0本17点21盗 率.264 RC30.82
3(中)近本光司* 132試525打154安3本34点30盗 率.293 RC71.55
4(三)佐藤輝明* 143試541打143安20本84点11盗 率.264 RC85.98
5(一)大山悠輔 124試439打117安23本87点0盗 率.267 RC71.1
6(二)糸原健斗* 132試445打110安3本36点2盗 率.247 RC41.45
7(左)ロハスJr+ 89試183打41安9本27点0盗 率.224 RC24.55
8(捕)梅野隆太郎 100試294打67安4本25点2盗 率.228 RC21.01
昨年の阪神打線は、リーグ屈指の俊足の中野、島田、近本を上位打線にずらっと並べ、機動力で先制することを目指した。近本はスピードだけでなく長打力もあり、チャンスメーカーとポイントゲッターを兼ねる役割だった。
若きスラッガー佐藤輝を4番に据え、5番に安定感のある大山と並ぶ打線は、つながりがよさそうではあった。
しかし2022年のチーム打率.243は最下位巨人の.242に次ぐ5位、本塁打も5位の84本、打点も462で5位だった。盗塁は110で断トツの1位とスピード感はあったが、小粒な打線だった。
目立つのが佐藤と大山以外の打者の打点の少なさ。近本は3番で83試合に先発出場したが打点はわずか34にとどまり、ポイントゲッターとはなれなかった。もう一つ、8人のスタメンの内6人が両打含む左打者だったのもバランスの悪さを感じる。
1番近本、2番二塁の中野から遊撃・木浪まで…
〈2023年〉※9月18日終了時点
1(中)近本光司* 119試475打136安8本53点26盗 率.286 RC86.40
2(二)中野拓夢* 132試528打152安2本38点18盗 率.288 RC69.98
3(左)ノイジー 123試446打108安8本51点0盗 率.242 RC41.02
4(一)大山悠輔 132試474打136安15本69点2盗 率.287 RC87.4
5(三)佐藤輝明* 121試442打112安20本83点7盗 率.253 RC72.45
6(右)森下翔太 83試296打70安10本41点0盗 率.236 RC36.92
7(捕)坂本誠志郎 73試213打49安0本18点0盗 率.230 RC17.99
8(遊)木浪聖也* 119試383打107安1本40点0盗 率.279 RC44.81