酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神「アレ」の勝因は昨年成績とグラフで比べて見るとクッキリ! 岡田監督は「持ってるやん、おーん」“投高打低”から一転チーム力UP
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/09/20 11:05
2005年以来となるセ・リーグ制覇を成し遂げた阪神タイガース。去年との投打成績を見比べてみると……?
〈2023年〉
・先発陣
伊藤将司* 20試10勝5敗 140.1回 率2.31 PR 14.32
村上頌樹 21試10勝5敗1H 139.1回 率1.68 PR 22.94
大竹耕太郎* 19試11勝2敗 118.2回 率2.05 PR 14.88
才木浩人 17試8勝5敗 105.2回 率2.04 PR 13.95
西勇輝 17試7勝5敗 101.1回 率3.82 PR -6.66
青柳晃洋 16試8勝4敗 90.2回 率4.17 PR -9.49
西純矢 16試5勝2敗 70.1回 率3.71 PR -3.77
・救援陣
岩崎優* 56試3勝2敗12H32S 52.1回 率1.38 PR 10.75
岩貞祐太* 50試1勝0敗24H0S 43.1回 率2.7 PR 2.43
加治屋蓮 49試1勝4敗16H1S 37回 率2.43 PR 3.07
石井大智 41試1勝1敗18H0S 37.1回 率1.21 PR 7.7
島本浩也* 33試4勝2敗13H0S 25.1回 率1.78 PR 4.08
浜地真澄 30試3勝1敗6H0S 27.2回 率5.86 PR -7.51
及川雅貴*28試2勝1敗6H0S 31.1回 率2.59 PR 1.87
今季は開幕直後から西、青柳の両エース級が不調、ガンケルはソフトバンクに移籍し、昨年の先発の柱は伊藤将の1本だけという事態に陥った。
しかし、昨年は一軍出場がなかった村上が開幕から31イニング連続無失点のセ・リーグタイ記録。さらにソフトバンクから現役ドラフトで移籍した左腕・大竹も快進撃。これに加えて才木も好投を見せ、昨年の穴を完全に埋めた。
ここに後半戦から復帰した西勇、青柳が加わって、9月の圧勝になった。
救援陣は当初クローザーを予定していた湯浅が不振に陥り、急遽岩崎が復帰。浜地も打ち込まれたが、これを一時期不振に陥っていた石井、左腕の島本らが復活してリカバリーし、昨年に匹敵する布陣となった。
大穴が開けば、新たな救世主が現れてそれを埋めて余りある活躍をする、投手陣を見ていると、岡田監督は「持ってるやん、おーん」という印象が強い。
「投打のバランス」マトリックス図を見てみると
さて、筆者は毎年、リーグごとの投打成績のマトリックスを作っている。これで2022年、2023年のセ・リーグを俯瞰してみよう(※外部サイトでご覧の方は関連記事からご覧になれます)。
縦軸には打撃面の指標であるOPS(長打率+出塁率)、横軸には投手力の指標であるERA(防御率)を入れた。ここに昨年と今年のセ・6球団のリーグ成績をマッピングする。