酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神「アレ」の勝因は昨年成績とグラフで比べて見るとクッキリ! 岡田監督は「持ってるやん、おーん」“投高打低”から一転チーム力UP
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/09/20 11:05
2005年以来となるセ・リーグ制覇を成し遂げた阪神タイガース。去年との投打成績を見比べてみると……?
昨年のヤクルトはチーム防御率は下位だったが、圧倒的な打力で「投低打高」状態となって優勝した。いうまでもなく三冠王・村上宗隆の功績大である。しかし今季は、その村上の不振が響き肝心のOPSが「並レベル」まで落ちたうえに、防御率も悪化したために下位に沈んだ。
対照的に昨年の阪神は、防御率こそ圧倒的な1位だったが、打力があまりにも低い「投高打低」だった。そのために3位に甘んじたが、今季は防御率がさらに向上したうえに、OPSが「並レベル」まで向上したことで優勝した、と読み取ることができる。
防御率は多少向上したが、打線がさらに落ち込んだ中日がほとんど「投低打低」になって最下位なったことや、その他球団が「投低打高」でもがいていたことなども視覚的に把握できるのではないだろうか。今季の振り返りに活用していただければ幸いだ。
オリックスもいよいよ優勝間近に
【2023年9月11日~9月18日 週間成績】
〈パ・リーグ〉
オリックス6試4勝2敗0分 率.667
ロッテ5試3勝2敗0分 率.600
日本ハム5試3勝2敗0分 率.600
ソフトバンク6試3勝3敗0分 率.500
楽 天6試2勝4敗0分 率.333
西 武6試2勝4敗0分 率.333
オリックスが手堅く4勝2敗、マジックを「4」とした。追うロッテも勝ち越したがその差は縮まらない。
〈打撃成績5傑〉※RC=Runs Create順
万波中正(日)19打7安3本6点0盗 率.368 RC7.77
森友哉(オ)23打8安3本9点0盗 率.348 RC7.21
周東佑京(SB)27打12安0本1点4盗 率.444 RC6.06
愛斗(西)14打5安1本3点0盗 率.357 RC4.05
角中勝也(ロ)13打5安0本0点0盗 率.385 RC3.88
新庄監督が「わくわくする」と言った万波が絶好調、23本塁打で楽天・浅村栄斗、ロッテ・ポランコに1本差につけた。週間の本塁打は万波とオリックス森が3、打点は森の9。このところスタメン出場が続くソフトバンクの周東は打撃好調の上に、最多の4盗塁。
〈投手成績5傑〉※リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順
田嶋大樹(オ)1登 7回 責0率0.00 PR2.31
有原航平(SB)1登1勝 7回 責0率0.00 PR2.31
髙橋光成(西)1登 7回 責0率0.00 PR2.31
藤平尚真(楽)1登 7回 責0率0.00 PR2.31
隅田知一郎(西)1登1勝 6回 責0率0.00 PR1.98
岸孝之(楽)1登1勝 6回 責0率0.00 PR1.98
オリックス田嶋など4投手が7回零封。西武・隅田など2投手が6回零封。救援ではオリックス山﨑颯一郎、楽天・松井裕樹が2セーブ、西武・平井克典が4ホールド。
佐藤輝明が完全に打棒を取り戻した
〈セ・リーグ〉
DeNA7試4勝3敗0分 率.571
阪 神7試4勝3敗0分 率.571
中 日7試4勝3敗0分 率.571
ヤクルト7試3勝4敗0分 率.429
巨 人7試3勝4敗0分 率.429
広 島7試3勝4敗0分 率.429
阪神の優勝が決まったが今週は4勝3敗と3勝4敗のチームだけ。大きな動きはなかった。
〈打撃成績5傑〉
ソト(De)22打8安4本6点 率.364 RC7.58
佐藤輝明(神)28打11安2本11点 率.393 RC7.41
ビシエド(中)23打8安4本6点 率.348 RC7.20
村上宗隆(ヤ)25打7安4本5点1盗 率.280 RC6.71
小園海斗(広)29打12安4点1盗 率.414 RC6.67
シーズン終盤になって外国人打者が活躍し始めるのはよく見る光景ではある。本塁打はソト、ビシエド、村上宗隆の4がトップ。打点はマジック「3」の試合での満塁本塁打を含む11打点の佐藤輝。盗塁は広島、大盛穂の2が最多だった。
〈投手成績5傑〉
西勇輝(神)1登1勝9回 責0率0.00 PR3.28
戸郷翔征(巨)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.91
九里亜蓮(広)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.55
根尾昂(中)1登6.2回 責0率0.00 PR2.43
大貫晋一(De)2登1敗12回 責2率1.50 PR2.37
阪神の西勇は9月12日の巨人戦で今季初完封。中日の根尾は18日の広島戦で今季初登板、6.2回を投げ自責点0も勝星つかず。救援ではDeNA森原康平と広島・栗林良吏が3セーブ。中日フェリスが4ホールド。