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「女子マネがなければ分析担当」「ユニ着用でノック補助」甲子園取材で目撃…“女子部員の立ち位置”「高校野球の当たり前が変わるきっかけに」 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2023/09/01 11:01

「女子マネがなければ分析担当」「ユニ着用でノック補助」甲子園取材で目撃…“女子部員の立ち位置”「高校野球の当たり前が変わるきっかけに」<Number Web> photograph by JMPA

野球に取り組む若者が憧れる甲子園。そこで見た“高校野球の常識”を変える流れとは

 甲子園では「硬式ボールの飛び交うグラウンドは危険」という理由から、女子部員の練習参加は長年認められていなかった。2016年の夏には、ノックの補助をしていた女子マネージャーが大会関係者に止められている。しかし、女性活躍が叫ばれる中、“女人禁制”の習わしは議論を巻き起こした。そして、6年経った昨夏、女子部員の練習補助が可能となった。

社会の関心が高まれば、常識を疑い、新しい形が生まれる

 ノックの補助をする女子部員や丸刈りではない球児が話題になること自体――野球に携わっていない人から見れば――高校野球は非常識な世界に見えるだろう。ただ、社会の関心が高まれば、常識を疑い、新しい形が生まれる流れができる。

 決勝戦のスタンド応援や過熱する報道の内容を見れば、あまり野球に関心がない人たちも今大会に注目していたことが分かる。慶応の躍進は世論を巻き込んで、高校野球の常識を覆す可能性を感じさせた。スピード感に欠ける印象はあるが、高校野球は確実に変化している。

 5年後、10年後には、今では想像できない役割を女子部員が担っているかもしれない。

「慶応・丸田」前編からつづく>

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