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【真相ルポ】カンボジア代表強化の切り札・本田圭佑が、5年間のGM在任で残したレガシーとは《総決算の大会で敗退》
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byAFLO
posted2023/08/08 17:00
カンボジア代表のGMとしてカタールW杯アジア2次予選に臨んだ本田。結果は0勝1分7敗だった
これだけの日本人が要職に就きながら、どうして結果を得られなかったのか。本田はカンボジアでどんな仕事をして、カンボジアに何を残したのか……。
関係者の証言から検証していきたい。本田自身のコメントは、今回の取材から得られなかった。だが、JFAグループと本田グループ、そして斎藤氏。それぞれの立場からの本田に対する言葉にはいずれも真実が込められているのは、読者の皆さんにもわかっていただけるだろう。
これから3回にわたって掲載するのは、JFAアジア貢献でカンボジアに来ている人たちのコメントと、本田グループのスタッフの証言、リーグCEOを務める斎藤氏の証言である。
第1回では、シーゲームス開催中のプノンペンで行った小原一典氏と行徳浩二氏とのインタビューから、ふたりのコメントの一部を掲載する。
JFAスタッフは本田GMをどう見ていたか
ふたりに関しては、もともと別のテーマでのインタビューを実施したが、話題が膨らみ本田とカンボジアサッカーに関する興味深い発言が多く得られた。だが、その大部分は当初の取材依頼とは異なるテーマにあたり、日本サッカー協会広報部と協議した結果、一部コメントのみの掲載にとどめる。そうなった責任は筆者と編集部にある。
まずは小原氏の言葉を紹介する。徳島ヴォルティスなどで育成を担当した小原氏は、2012年から3年にわたりJFAアジア貢献でブータン代表監督を務め、2015年からカンボジアでテクニカルディレクターを歴任している。
——本田がGMとなって、何か変わったことはありますか?
「あれだけ実績のある方なので、選手もスタッフもリスペクトしていたと思います。最初のころは選手を伸ばしたいという意図もあったのか、勝負だけにはこだわらなかったようにみえました。選手たちが思い切ってプレーした時期がありました」
掲載できるコメントはこれだけで、以下の質問に対する回答は割愛する。
「彼のポピュラリティによって、サッカー界全体が何か変わったか?」
「本田自身が常駐しなかったことのデメリットは大きかったか?」
「本田グループにも言い分はあるのではないか?」