「信頼できて目標を共有できる人間が集まっていた。サッカーという団体競技だったからこそ、生まれた一体感や絆だったと思う。もっと言えば、互いの癖、人間性をみんながわかりあっていた上で生まれた戦術だったんです。アメリカやドイツに、技術や戦術だけでは敵わない。だからあのチームは個人ではなく最後まで集団で戦い続けたんです」

延長戦までもつれる激闘となった準々決勝ドイツ戦の試合後、ベンチでぐったりと座り込む（左から）熊谷紗希、宮間あや、阪口夢穂（2011年W杯）©︎Getty Images

　宮間は、自分個人を特筆されることを嫌がってきた。彼女は、綺麗事ではなく真剣に組織・集団が持つ力の大きさを信じている。そこには、なでしこで培ってきた成功体験もあるだろう。また彼女自身の性格によるところもある。そして何より、宮間の人としての真相に迫ると、それはなでしこの強さや価値と重なっていくのである。

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＜奇跡の花は散らず＞ 宮間あやが語る「なでしこ世界一」