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鎌田大地“ヤンチャ伝説”「高3で鳥栖に練習参加→腰パン叱られる」「監督何もわかってない、と言ってたら窓が…」本人が語る真相と“貫く本心”
posted2023/08/07 11:01
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Shigeki Yamamoto
プロの世界に入ったとき、普通の高校生からは初々しさが感じられるものだ。もしも、そこでこんな風に指摘されるとしたら、その選手は“普通”ではない。
「なんだ、その腰パンは!?」
高校3年生の鎌田大地は叱られた。指摘してきたのは元日本代表で当時サガン鳥栖にいた播戸竜二だ。その播戸によって、さらにズボンをヘソのあたりまであげられ、シャツをズボンの中にグイっと押し込まれた。プロ入り候補選手として鳥栖の練習に参加したときのことだった。
超腰高のパンツに、シャツはイン。ピアノの演奏会に臨む幼稚園児のようなスタイルになった。ただ、それだけでは終わらなかった。
別の選手から大目玉を食らったのだ。
「なんだオマエは! やる気ねぇなら帰れよ!!」
そこまで言われるなんて相当のことである。鎌田は当時をこう振り返る。
「もちろん、やる気はあったんですよ! それなのに怒られてしまって……」
絶対に、こんなチームには入らんわ。
高校3年生の鎌田は胸にそう誓った。当時は複数のJリーグクラブにも練習参加していたため、興味を示してくれるクラブの中から進路を選べると予想していたのだが、ここでも鎌田の思惑とは別の結末が待っていた。
「結局、鳥栖からしか正式なオファーは来なかったんですよね……」
鳥栖への感謝とともに、鎌田の自己分析を聞く
こうして、受け入れた選手たちから不評だっただけではなく、鎌田本人の第一印象も最悪だった鳥栖で、念願のプロキャリアをスタートさせることになった(もちろん、今となっては鳥栖に心から感謝しているのは言うまでもない)。
そもそも、他のクラブに練習参加したときにも、自らの態度についてはやや否定的に受け止められた。鎌田はこんな風に自己分析をしている。
「僕はこういう雰囲気と、こんな感じ(*淡々とした言動が多い)なので、99%くらいの人からはマイナスに見られがちです。でも、それが自分だと思うし、自分から何かを変える必要もないと思うので。
結局、サッカーで結果を残せば、そういう部分も、逆に良い風に見られたりするわけじゃないですか。僕が変わるのではなくて、周りが変わってくれたらいいかなと。その考えはずっと同じです」
「どうしてスタメンじゃないんですか?」と監督に直談判
サッカー選手として監督の求めることを体現できる。それも自身の特長だと鎌田は考えている。ただ、それは周囲の指摘を何でも受け入れるというわけではない。
だから、鳥栖に入っても“鎌田伝説”は次々と生まれていった。
ルーキーイヤーに、当時の森下仁志監督に直談判しにいくこともよくあった。