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ラツィオ鎌田大地27歳のPK持論「結局、監督と仲間の信頼がないと…」なぜCLで“相手サポの妨害”に笑ったか「外したら批判されたでしょうけど」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/08/07 11:02
前所属のフランクフルトではPKキッカーを務めていた鎌田大地。日本代表でもその重責を担う場面はくるか
「コロちゃんもカタールW杯の決勝でPKを決めてから、他のプレーはもちろんですが、PKでも自信をつけていました。やはり、大事な局面で決められると、選手のマインドは大きく変わるものなのだなと感じました」
「ダイチ、本場の“パリ・スタイル”を教えてやる」
カタールW杯後のフランクフルトではボーフム戦やヘルタ・ベルリン戦のように、コロ・ムアニがPKキッカーを務めるケースが増えた。一方で、鎌田がPKを蹴って決めたマインツ戦などもあった。
「コロちゃんとはお互いにリスペクトしていたんですよね。例えば、自分があまり点数を取れていないときには、『ここは俺に蹴らせてくれ』と伝えましたし。逆に、彼がゴールを欲しい試合では『ダイチ、今日はオレが蹴りたい』と言われて、彼に任せることもありました」
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余談だが、コロ・ムアニを筆頭とするフランクフルトのフランス人選手たちと鎌田は仲が良く、こんなことがあった。2022-23シーズン最終戦の後、自宅で夕飯を食べていると、彼らから電話があった。「お別れ会をしたい」という話だった。シーズン中ではありえないような時間帯、23時頃に呼び出されたのだが、そのときの誘い文句はこうだった。
「オレたちが本場の『パリ・スタイル』を教えてやる」
お別れの会だからということで、鎌田も出かけていった。
「連れていかれたのは、映画の『ワイルドスピード』に出てきそうなクラブでした。クラブの中は暗いのに、みんなサングラスをかけているし……。お店にはあやしげにシーシャ(*水たばこ)を吸っているやつもいて、『危ないな』と思って、結局10分ほどいただけで、ひとりで帰りました。そもそも俺はフランス語しゃべれないんだから、仕方がないですよ(笑)」
そのあとに日本代表戦が控えていることも脳裏によぎったのかもしれない。彼らとの別れの夜は意外とカラっとしていた。
「結局ね、監督やチームメイトからの信頼がなければ」
話をPKに戻そう。
鎌田が自信を持ってPKを蹴れるのはよくわかったが、なぜ、PKキッカーとしての役割も大切にしているのだろうか。
カタールW杯メンバーを見ても、W杯後に所属クラブでPKを蹴っていない選手が多い。対する鎌田はむしろ、自ら蹴りたいと考えるタイプだ。先のペルー戦でも、もしもPKが与えられていたら、基本的には鎌田が蹴ることになっていた。
PKを蹴りたがらない選手が日本で意外と多いのは、PKは技術よりも運やハートの強さに左右されるという考え方が根強いからだろう。そのあたりは、PK戦になった瞬間に多くの人が名乗りをあげたという、W杯王者のアルゼンチン代表などとは違うところだ。
ただ、そんな風潮もわかったうえで、鎌田はこう話す。