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「反省することばかりなんです」栗山英樹監督は“無私の人”だった…記者が明かす知られざる素顔「選手たちに余計な苦労を一切かけたくない」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byJIJI PRESS

posted2023/04/13 11:04

「反省することばかりなんです」栗山英樹監督は“無私の人”だった…記者が明かす知られざる素顔「選手たちに余計な苦労を一切かけたくない」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

WBC優勝後の3月27日、日本記者クラブの会見で大会を振り返る栗山英樹監督。侍ジャパンを世界一に導いた「信じ抜く采配」のルーツとは

栗山英樹は“無私の人”だった

 様々な要素が複雑に絡み合うなかで結末を想像し、誰を選び、誰を使い、誰を代える、といった決断を絶えず下していくのが、監督という仕事である。そして、侍ジャパンを14年ぶりの世界一へ導いた栗山監督は、「すべては日本の野球のため、そのために戦ってくれる選手のため」という大前提に立ち、采配を振ったのだった。

「試合中の刹那に下していくジャッジを、苦しいと感じるのか、それとも楽しいと感じるのか。ギリギリのところまで追い込まれて、追い詰められて、批判もされたりしながら、必死になって考えるのは、楽なことじゃないですよね。でも、監督を辞めたらそんなに考えることって、あまりないかもしれない。だから、野球の監督を辞めたときには、決断をしていくことが『楽しかったな』と言うでしょうね」

 栗山監督は“無私の人”である。自己顕示欲やプライド、虚栄心や権力欲などといったものには、1ミリの興味も示さない。その心に根づくのは、野球への真っ直ぐな愛情だ。

 それから、見ず知らずの人への、さりげない心配りも。

 使いっぱなし、出しっぱなし、やりっぱなしといったことを、栗山監督はできる限り避ける。勝負を分ける“違い”は細部に宿るものであり、日ごろから自分を律することで、チームが勝つ確率をほんの少しでも高めたい、と考えるからだ。

「それに、椅子をきちんと机に入れるとか、使ったものを片づけたら、気持ちがいいじゃないですか。次に使う人のためにも、整理整頓されていたほうがいいですからね」

 生きることに対して、真摯な眼をまっすぐに向ける。それが、栗山英樹という人間の温かさと清々しさ、そして力強さの源だった。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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