2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「2年前のM-1(9位)は悪夢でした」ウエストランドが明かす、松本人志の“ひと言”に救われた話「松本さんに嫌いやわ…って言われなかった」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byYuki Suenaga
posted2023/02/19 11:03
ウエストランドの井口浩之(左)と河本太。2020年大会に続き、2度目のM-1決勝で王者に
井口 1本目から見えていましたね。僕はライブとかでもそうなんですけど、出て行って、まずどんなお客さんがいるか見るんですよ。それも冷静にできていた。というか、今回は、その前にモニターで客層を確認したとき、男のお客さんがけっこう映っていて。これは行けるな、と思いましたね。若い女の人ばっかりだとキツいなと思っていたんで。
河本 確かに男の人、多かった気がしますね。野暮ったいというか、同年代くらいの男の人が。タイタンのライブと同じような雰囲気でした。
――1本目のネタは「ユーチューバーにはあるけど……」のところで、まず、ドカンときます。ユーチューバーの「ある」は、「ウザい」だと。
井口 大爆発したって感覚でもなかったですけど、とりあえず、これくらいウケたら嫌な思いはせずに終われるかな、ぐらいの感じでしたね。
――ユーチューバーの「ある」は、「警察につかまり始めてる!」だと叫んだところで、さらにドカンときました。
井口 あの前から拍手笑いが起きる感じがあったので、ちょっとテンポが崩れかけたんですけど、そこは落ち着いてできましたね。
「恥ずかしいことすんな。優勝してえのかよ」
――点数が出たときはいかがでしたか。
井口 (立川)志らくさんが98点とか付けてくれていたのでよかったなとは思っていましたけど、合計659点ですってときに、こいつが「よっしゃー!」とかやっていたんで、それで引いちゃって。
――あの瞬間、650点で3位につけていた男性ブランコを上回って、最終決戦進出を決めたわけですもんね。
河本 男性ブランコの点を覚えちゃってたんです。
井口 恥ずかしいことすんな。優勝してえのかよ。
河本 してえわ、それは。言い訳をさせてもらうと、650という切りのいい数字だから覚えちゃったんですよ。
2年前、松本さんの“ひと言”に救われた
――河本さん、万歳しながら「優勝ーっ!」って言ってましたよね。
河本 つまんないボケです。
井口 クオリティが基準に達してない。どう考えても、つまんない。しかも、その後、実際に優勝しちゃってるし。もはや、どう笑えばいいか、わからないから。
河本 舞い上がっちゃったんです。まさか最終3組に残れるとは思っていなかったので。